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   単純子宮全摘術


 単純子宮全摘術の原理


  単純子宮全摘術は、子宮および付属器の疾患(子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症
  ・子宮内膜増殖症・子宮体癌・子宮頸癌初期病変・卵巣腫瘍など)に頻用される手術侵襲
  の比較的少ない婦人科手術である。本術式のアプローチの仕方には経腹的手術
  膣的手術があるが、そのアプローチの仕方にかかわらず単純子宮全摘術には固有の
  原理がある。
  

 「単純子宮全摘術の原理は、子宮を牽引・支持している組織をできるだけ子宮の近傍で
 
切断し、さらに子宮頸部前方に存在する膀胱を子宮頸部前方から剥離し、子宮を膣管から
 離断して子宮を摘出することにある。」


  経腹的アプローチでは子宮を牽引・支持している組織をまず切断し、膀胱を子宮膣翻転部
 を下方に越えた高さ(子宮を膣管から切断しようとする部位)まで押し下げて、子宮のみが膣
 管と連結した状態にさせ、そこで子宮を膣管から離断して子宮を摘出する。経膣的アプローチ
 では、まず子宮頸部周囲の膣管に切開を加え、経腹的アプローチとほぼ逆の操作で手術が
 進行する。

 子宮を牽引・支持している組織としては、子宮の側後方には卵巣提索(卵巣動静脈)、側方
には広間膜前葉・後葉とそれにはさまれた広間膜腔の結合組織、側前方には子宮円索、側
下方には基靭帯にくわえて、その前方に子宮動脈膀胱子宮靭帯前・後層を含む子宮頸部
支持組織があり、子宮の後方で直腸との間に仙骨子宮靭帯がある。
 単純子宮全摘術は、これら子宮を牽引・支持している組織、ことに子宮頸部支持組織を子宮
の最も近傍で切断することによって子宮を全摘しようとする術式である。


参考図書

 ( 産科と婦人科 第63巻 第5号 第742冊 1996年5月1日発行
   産婦人科手術シリーズ13 単純子宮全摘術 T 基本原理と局所解剖@

   信州大学産婦人科 藤井信吾氏 ・ 順天堂大学産婦人科 桑原慶紀氏
   ・東京慈恵会医科大学産婦人科 落合 和徳氏  より抜粋しました。  )