子宮
膀胱と直腸の間にある臓器で、大きく体部(body)と頸部(cervix)に分かれる。
T1強調像では、子宮と子宮傍結合織は均一な中等度信号として描出される。
T2強調像は、子宮体部、頚部、傍結合織を明瞭に区別できる。
生殖可能な年齢の女性において、体部はT2強調像において内側から高信号の
子宮内膜、低信号のjunctional zoneと、中信号の子宮筋層の三層に分かれる。
造影により内膜と筋層は強く、junctional zoneは淡く造影される。
junctional zoneがT2強調像で低信号を呈し、造影程度が低い原因としては、
組織学的に細胞が蜜で細胞外腔が少なく、水分含有量が少ないためとされている
が、まだ定説は得られていない。
月経周期による変化
T2強調像は、内膜の厚さの変化と同時に、junctional zoneの変化を描出する。
生理直後は、junctional zoneは、境界不明瞭で子宮腺筋症を思わせるような像
を呈することもある。その後、分泌期には境界鮮明な低信号を呈するようになる。
月経中には、頸管内、膣内に存在する分泌液、血液により、T2強調像で高信号を
呈する。
子宮腺筋症
子宮腺筋症は、子宮筋層が、びまん性又は限局性に腫大するが、MRIでは明瞭に病変
部を描出できる。しかし、子宮筋腫や子宮内腔へポリープ状に突出する場合の内膜ポリープ
との鑑別が難しい場合がある。また、子宮内膜症を合併しやすい。
MRI検査は、病巣や周囲臓器との関連性を明瞭にするため有用性が高い。
MRIの適応
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮腺筋症と子宮筋腫との鑑別、子宮内膜増殖症や
子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎などあらゆる内膜由来の疾患が適応となる。
主な疾患と撮像条件
| 断面撮像法 | 子宮腺筋症 | 子宮筋腫 | 子宮内膜増殖症 | 子宮内膜症・卵巣 | 子宮内膜症・卵巣以外 |
| T1強調 矢状断 |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| T2強調 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 脂肪抑制 | ○ | ○ | |||
| dynamic | △ | △ | ○ | ||
| 造影T1強調 | △ | △ | △ | ||
| T1強調 横断 |
◎ | ◎ | |||
| 冠状断 | △ | △ | |||
| 斜位断層 | △ |
◎ 最適な方法でよく使用される。
○ 比較的使用される。
△ 時に使用される。
無印 殆ど使用されない。
主な子宮腺筋症のMRI所見
| T2強調像で内膜に沿った辺縁不明瞭な低信号病変 |
| T1強調像で点状高信号→出血を示す |
| T1強調像で筋層同等ないし低信号 T2強調像で点状高信号→異所性子宮内膜 |
| junctional zoneの肥厚→12mm(月経などと鑑別困難) |
| junctional zoneの不均一な肥厚 |
| 内膜筋層境界の不整像→腺筋症が著しい場合→体ガンとの鑑別が必要 |
| 内膜へ沿った辺縁不明瞭な低信号病変 →GnRH療法で辺縁が明瞭化し、筋腫様となる |
| 子宮内膜症を併発しやすい |
| 深部病巣は漿膜外病巣(子宮内膜症)と連続することがある →癒着・子宮の変形 |
参考図書
(メディカルビュー社 臨床画像 8 August 2000 CLINICAL IMAGIOLOGY
特集『婦人疾患のMRI』 ISBNコード T1109471082313 定価2200円+税
より抜粋しました。)