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今夜の番組チェック

第十一回 二人称

 現代の医学は、一人称あるいは三人称で語られることが多いものです。つまり、病いを持って悩み
苦しんでいる私とその診察と治療、看護に当たっている医者や看護師や薬剤師などの病院のスタッフ
から見た医学としての病気の記述です。
 同じ病気に対する姿勢は、一人称と三人称とでは大きな隔たりがあります。患者は、病気にかかり
体が思うようにならない反面、今現在そしてこれからのことを考えると不安になります。そして治療が
どうなるのか、その予後はどうなのかとその都度、気持ちが揺れ動きます。患者にとって、病いは突然
の出来事です。そして、病院へ通い治療を受ける。ましてや手術を受けるなどということは、人生に
一度か二度起きるか起きないかの重大な決断を強いられる場面です。それに比べると医者にとっては、
全然目新しくも無く、また来た患者の一人であり、治療に関してもちっとも変化に富んだものではありま
せん。

 ガンのような重い命に関わる病気の告知の場面にしろ、医者は第三者として、多少の同情を
交えながらも、冷静に患者(というよりも患部)を見ています。医者にとっての病院は、職場で
あり、患者への告知も日常茶飯事です。ガンなどの病気の体験記や闘病記などは、今、その病気
と向かい合っている患者とその家族にとって、とても参考になることも多いものです。でも、それ以
上に、体験者ではない治療を施す側の医者や看護師にとって、治療を進めていく上での参考に
なると思います。体験記や闘病記を読み、第三者としての三人称としてではなく、患者の家族と
同じ立場に立って、二人称で患者の立場で物事を考えて頂きたいと思います。

 医療とは、病に蝕まれた体を診るだけではなく、その病を得た患者の心をも診なければならない。
当然のように口にすることですが、現実は時間がない、お医者さんが忙しそうなので相談ができない
という方が多いです。また、医者の方も、体を診ればよい、体を治せばよいと考えているように思えます。
 婦人科で、子宮全摘手術後の不安を相談したところ、「あんたは、もう子宮を取ったんだから、もう
そんなに大きな問題はないんだ。卵巣はしっかり両方とも残っている。もし、それでも不快な症状が
出ているんなら、それはそういう年だからじゃないの。そんなに不安なら、精神科へ行って下さいよ。」
と言われたそうです。この論理からいくと、医者は、精神科以外では心を診る必要はないということに
なります。実際、そういう気がします。例えば、命に関わる病気であるガンの場合でも同じです。病気
に苦しむ人にとっては、体の具合と共に、心の安定も大切な問題です。医療は、心の問題を置き去り
にしていると思います。自助グループをしていて思うのは、もっと心を診る時間を少しでも見つけて欲しい
ということとそれと共にそれに見合う正当な対価の保険点数を設けて欲しいということです。それが
無理だとしても、ほんの一言でも医者から患者に暖かい声をかけて欲しいなと思います。

 第十二回   類型解決

 自助グループのホームページの管理をしていて、一番問い合わせが多いのは、「札幌市内の良い
病院と良い医者を教えて欲しい」というメールです。このインターネット時代です。筋腫にしろ、内膜症
にしろ、(腺筋症はどうかなぁ)検索をすれば、病気についての情報も色々と知ることができます。
また、同じ病気を抱えて生活している様々な人たちと掲示板を通じての交流もすることができます。
 本などの一方的な型通りのパターン化された情報と異なり、インターネットでは、情報を得るために
アクセスする時間も短縮できます。地元の自助グループでは、2ヶ月に一度の会合も開催しています。
実際に顔を会わせて、病気の話しをし、病院や医者の情報を交換することもできます。でも、そんなに
参加する方はいらしゃいません。皆さん、お忙しいのでしょうね。

 今は、何をするにもマニュアル化されていないと安心できない人が増えています。これは、正に類型
解決のパターンです。つまり、考え方の指針が示されていて、その指針に沿って自分の行動や思考を
決定していくこととなります。独創性がなくても、そつなく生きていくためには便利だと思います。
 日本の学校教育は、左脳中心の類型解決人間がエリートとされています。でも、本当に必要なものは、
右脳の働きの豊かな社会だと思います。

 自分にとっての本当に良い医者と良い病院を知ることは、沢山のホームページを閲覧しただけでは
見つけることは難しいです。だから、自助グループのホームページの管理人のお前なら、何がしの
情報を持っているだろうと期待をして、問い合わせしてくるのでしょう。日本もアメリカと同じように誰
でもインターネットを通じて、医者や病院の情報を入手することができる環境になれば、こんな問い合
わせも届かなくなることでしょう。

 腺筋症患者にとっての良い医者と良い病院って、どこなんでしょうねぇ。北海道にも、あるのかしらん。

第十三回 タダより怖いものはない

 既婚者で既に子供を産み育てた人は、独身者に比べると思い切りがよいようです。同年代の彼女も
その当時の適齢期にきちんと結婚をし、子供も一人産んでいます。私と同じように初潮時から生理痛は
半端じゃなかったそうです。それでも、結婚をして子供を産んだ後の10年間ほどは、ひどい生理痛に苦
しむことはなかったそうです。それが、ここ3・4年の間に、どんどんと生理痛はひどくなる一方だったそう
です。そして、遂に耐え切れずに、産婦人科へ行き、子宮腺筋症との診断を受けました。ホルモン剤は
あるものの根本的に治すには、子宮の全摘しかないと医者に告げられ、ホルモン剤ワンクール投与を
待って全摘手術を受けることにしました。

 そういう面から言って、彼女にとっては全摘手術に迷いはありませんでした。半年後には、すぐにでも
手術を受けるかと思っていました。しかし、ホルモン剤で生理を止めた後、体が楽になり始めると全摘は
もう少し後でもよいかなぁ、一度も開腹手術をしたこともないので、手術も怖いし・・・。ということで、ホル
モン剤の投与期間が終わった後も様子見の状態でした。しかし、やはりホルモン治療再開後の生理は
少しずつ、しかし、着実に悪化していきました。そこで、遂に麻酔医のいる信頼できる病院で手術を受け
ることにしました。

 ところが、彼女の希望は叶えられませんでした。実は、ホルモン剤治療後に、尿失禁の治療薬の治験
に参加していたのです。事前に健康体であることのチェックを受けての参加だったそうです。ところが、
いざ子宮の全摘手術を受けるために血液検査や血圧測定をしたところ、高血圧と血糖値が高くて、とても
手術を受けいれられるような状態にはないと判定されてしまいました。どう考えても治験薬の副作用としか
思えないということでした。結局、血圧と血糖値のコントロールができるまでの約一年間、驚くほどの数の
サプリメントを飲み続け、何とかこの冬に目出度く?全摘手術を受けられました。手術後は、生理痛もなく、
過多月経の煩わしさも消え去り、もちろん、貧血に悩むこともなくなりました。でも、治験によって生じたと
思われる高血圧や糖尿病はの方は、数値は下がり落ち着いたものの正常値には戻らないようです。

 治験に懲りたハズのこの彼女は、何とその後も、痛風の治験にも参加したそうです。こちらの方は、
それなりに効果が出ているようですが・・・・。「治験に参加すればタダで薬が手に入り、治療にもなるか
ら」参加するのだそうです。でも、世の中には、タダより怖いものはない、という言葉もあります。
 薬って、所詮は人体にとっては、異物である化学物質に過ぎません。副作用よりも薬効が多ことを
期待しつつ、毒と承知で口にするものです。ましてや治験の段階では、その副作用もまだまだ知られて
いないと思います。

 治験に参加しませんかという新聞広告を目にする度に、タダよりも怖いものはないなぁと思います。
治験に参加する際は、くれぐれもご注意下さい。

第十四回 ブール代数で行こう

 現代社会は、情報や物質が豊かになった分、ストレスの多い時代のせいかうつ病あるいはうつ状態
の人間が増えています。日本の自殺者数も三万人を超えました。個々人の抱える事情は色々あれ、
死を選ばなくても良い場合が大部分だと思います。

 コンピュータは、その通りに日本語に訳すると計算機となります。でも、今日、コンピュータを計算機
そのものとして使っている人は少数でしょう。コンピュータでインターネットをする、音楽を聴く、絵を描く
などなど今のコンピュータは、雑多な使用用途を持つ汎用機として利用されています。この汎用性が
なければ、今の情報時代は考えられなかったと思います。このコンピュータの汎用性に目をつけた
のが、アメリカのクロード・シャノンでした。シャノンは、情報理論と呼ばれる論文を発表しました。
 シャノンの説いた情報理論とは、多種多様な情報を一つの理論で取り扱うというものでした。
つまり、情報をコード化し、それを数式または方程式に変換することを考えたのです。

 コンピュータの取り使う数字は、0と1です。つまり、スイッチのオンとオフの二通りで基本的には
加算のみで計算し処理をしています。その際に用いる処理方法が、ブール代数です。
 ブール代数は、19世紀のイギリスの数学者ジョージ・ブールによって生まれました。ブールは、
論理と推論を数学に置き換える方法、つまりブール代数を20年間かかって築き上げました。
 ブール代数の採用により、コンピュータの電子回路の設計が楽になりました。ブール代数は、
わずかな数種類の演算方法の組み合わせにより、さまざまな計算が可能になることを示しました。
具体的に、AND、OR、NOTの三つの単純な論理回路を用いることにより、デジタル化が可能と
なります。物事をデジタル化すれば、それは再現化することが可能になります。また、情報の劣化
も防げます。

 人間の思考は、複雑で単純なものではありません。ですから、人生の色々な場面で悩み苦しみ
ます。そして、時にはひどく落ち込み死にたくなることもあります。でも、ブール代数を使えば、そん
な悩みの多くが解決できます。結局、人間は、何かを選択しなければいけません。何かするかしな
いか。毎日が、その繰り返しです。考えてみれば、人間を形作っているDNAそのものが、A、T、C、
Aの四つの塩基の組み合わせで成り立っています。地球誕生から、46億年。生命は、38億年前に
誕生したとされています。その生命が誕生した時から、いのちは、デジタル化されていたのです。
 でなければ、子孫に間違いなく遺伝子を伝えていくということは不可能だったことでしょう。

 人間は、本当は単純な出来事を複雑にして、無駄に苦しみ、落ち込み、死のうとまで思考が行
ってしまうことが多いのではないだろうか。私も色々と悩み悶々とすることがありました。でも、
インターネットを始めて、コンピュータに関する本を読み、このブール代数を知ってから、悩みを
分割して単純にすることを覚えました。ブール代数で痛みは消えない。また、腺筋症の痛みはつ
らいけれどブール代数は、生活を豊かにしてくれます。コンピュータは、その仕組みや歴史を知ら
なくても機械の一つとして使うとこはできます。でも、その仕組みと歴史を知ると勉強になることも
沢山あります。そして生活の幅も広がります。コンピュータは、砲弾の軌道計算のためにアメリカ
で誕生しました。そしてインターネットもアメリカとロシアの冷戦の中で発達しました。戦争は、人を
殺し、国を疲弊させますが、科学技術を飛躍的に進歩させます。腺筋症も何かを飛躍的に進歩
させるってことは・・・・ないのかなぁ?

第十五回 悪魔のその魅惑的な横顔

 サリドマイド。言わずと知れた、40年前、世界に多大な薬害をもたらした悪魔の薬のことです。
サリドマイドは、二つの無害な薬を合成して作られました。無害の薬同士を化合させても、その組
み合わせが強い毒性を示すことは稀ではありません。薬は、化学物質そのものです。

 サリドマイドの毒性とは、強い催奇性、つまりアザラシ肢症を引き起こすことや神経障害を引き起
こすことがよく知られています。妊娠中に催眠剤あるいはつわり止めとして処方されたサリドマイド
を服用した妊婦が、アザラシ肢症を持った子供を出産することが知られています。最近のパトリシア・
M・ロディアー博士の研究により、母親が妊娠21日目から24日目という、ごく短い期間という女性
自身が妊娠に気づく前に服用する時にのみ、催奇性が現れる。また、以前の妊娠の期間に服用時
には、一般の場合に比較して、30倍という高率で自閉症を発症することが分ったといいます。

 一度、悪魔のレッテルを貼られたサリドマイドが再び、その姿を現した時、サリドマイドは、悪魔から
神の薬となっていました進行したらい性結節性紅斑の患者に奇跡をもたらしたのです。その他にも、
エイズ、多発性骨髄腫、あらゆる自己免疫疾患の病に効果が見られることが分ったのです。エイズ
に関しては、その後、様々な薬が開発されて今はサリドマイドの需要はなくなりました。

 私が、この悪魔の薬に関して、興味を覚えるのは、その抗血管新生作用と自己免疫疾患への
応用についての効用です。腫瘍は、自己の増殖を図るために、まず最初に自分の栄養補給路
としての血管を作ります。その血管が作られることを阻害します。これは、腺筋症や筋腫などの
良性腫瘍に関しても言えることだと思います。サリドマイドイコールアザラシ肢症が頭に浮かびます
が、もしかすると腺筋症にも、もしかすると著しい効果があるのかも知れないなぁと時々考えてみ
たりします。また、腺筋症や内膜症は、自己免疫疾患であろうという医学文献もあり、免疫の狂い
を正常化させる作用がサリドマイドにはあるらしく、その点からも、もしかすると腺筋症の病巣にも
効果が出るのではないかと思ったりするのです。

 強い催奇性は、霊長類にしか現れないことが知られています。だから、マウスなどを使っての
動物実験では、その催奇性を予測することは難しかったようです。人に強い催奇性を示すというこ
とは、DNAに異常をもたらすということです。腺筋症にも、多分、効果はあるのだろうなぁと思いつつ、
やはりサリドマイドを試してみようとまでは思えません。でも、もしかすると・・・・。 

 サリドマイド---悪魔の薬は、果たして悪魔かはたまた神か。悪魔の横顔は魅惑的です。

第十六回 国家公務員

 少子高齢化で出産が減ったせいもあり、時間的縛りも多くて、何かと面倒臭いため、小児科医や
産婦人科医が減ってきているようです。でも、子供の数は減っても女性の数は減らないと思います。
今、医者になる33%は、女医さんだそうです。それなのに、女性を治療の対象とした産科や婦人科
は減少し続けているのですね。確かに、産科は、体力のいる24時間休みのない仕事です。
 でも、婦人科はそうでもないと思います。婦人科にかかる女性のためにも、女医さんには、産婦人
科を選択して頂きたいと思います。

 そもそも医者が、国家公務員じゃないのが納得ができないません。国民の生活と安全のために必
要な仕事が、国家公務員じゃないなんて、おかしな話しだと思いませんか。田舎で不便だから、子供
が少ないからと村や町に、小学校がなかったら大変なことだとは思いませんか。田舎だからと警察官
も消防署もなくてもよいなんてことは考えられませんよね。それなのに、それ以上に、直接、国民の命
にかかわる仕事に携わる医者や看護師などがいなくてもよい所などあるはずがありません。

 どの大学の医学部にだって、国立はもちろん私立へも、国からの補助金が、その他の学部よりも沢山
支出されています。それなのに、医学部を出た医者は、自分の好きな科を選んで好きな所で仕事が
できるようになっています。国民の税金を支出しているというのに、その恩恵を受けられない人たちが
いてもいいのでしょうか。医者も学校の教員と同じように、全国各地に必要な科の医者を必要な人数だけ
強制的に配置する必要があるのではないでしょうか。

 厚生労働省は、一体何のために存在しているのでしょうか?また、マスコミによく登場するいわゆる知
識人やジャーナリストも、いつも医療問題や医療過疎地、医局と地方の寄付金問題、名義貸し問題を取
り上げつつも、最後は「これは難しい問題です。」と溜息をついて曖昧にして終わりにしてしまいます。
 医者や看護師、薬剤師などの国家公務員化してしまえば、日本の医療格差は随分と健全化するの
ではないかと思います。国家は、国民のためにあるはずです。何が一体、国民の健康のために必要か
を考えて頂きたいと思います。

第十七回 早くてうまくて安い医療

 婦人科を訪れる人のうちの多くは、悪性疾患を除くと子宮筋腫や子宮内膜症や子宮腺筋症、あるい
はチョコレート嚢腫を始めとする卵巣嚢腫の患者ではないかと思います。それなのに、いざその病気と
診断された時には、戸惑うことばかりです。どこの病院へ行けば自分の生き方に合った適切な治療が
受けられるのか。そして、手術や治療のレベルが高い医者は誰なのか。筋腫であれば、筋腫核術後
のケアがきちんと受けられるかどうか。その他、気になる症状が出た時に相談できる場が欲しい。
同じような病気の仲間と情報交換がしたい。あるいは、病気に良いという薬や健康栄養補助食品の
情報が欲しい。そして、その入手方法も知りたい。できれば、現物を見てみたい。それも、自分の都合
の良い時刻に都合の良い場所で利用したい。まるで、近くのスーパーマーケットへ夕食の買出しへ
出かけるような気楽さで、安くて早くてうまい物が簡単に手に入るようになればいいなぁと思います。

 患者の立場から考えると良性の子宮や卵巣の病気を専門に取り扱う病院が自分の住む場所の
近くにあればいいと思います。成人女性の4人とか3人のうち1人がかかる病気です。日本人がよく
かかる病気であるガンは、がん専門病院が全国各地にあり、沢山の患者さんがいます。それと同じ
ように、子宮・卵巣の良性疾患のみを扱う病院ができないのが不思議でたまりません。近くにあって、
医者のレベルが安定して高くて、手術の実施数も多く、入院や治療のシステムも明確であれば、診療
もスムーズにいき、手術の技術も磨かれて、結果として、医者は技量を高めて、患者も早く社会復帰
をすることができると思います。何せ、良性疾患と診断を受けた後に訪問する医療機関なので、無駄
が省けます。そういう場では、良性疾患に関する情報公開も簡単にできると思いますし、患者同士
あるいは医師・看護師と患者との交流も大いに進むことでしょう。

 大きな病院に勤めていて、とても人気が高い医者が、個人病院を開業するために辞めていくと
いう話しを良く聞きます。多分、大きな病院では、いくら人気があっても、自分の裁量が働くことは
少ないので、それであれば小さくても自分の城をと考えるのでしょう。しかし、個人で開く病院は
規模が狭く、手術がうまいと評判が高かった方も、その機会がぐっと減ってしまうことになるよう
です。こういう医者たちが集まって専門病院を作って、総合的にかつ機能的な仕事とをすればい
いのになぁと思います。

 マックス・ウェーバーの言う資本主義経済の「神の見えざる手」に、医療経済も任せれば、良心
のある医者と医療環境に恵まれない立場に置かれている患者たちに対して、もっとよりよい社会
となっていくのではないでしょうか。

 第十八回 薬

 痛みと出血がひどくなり、市販の痛み止めも効かなくなりました。私が初潮以来、飲んでいた
薬は、シオノギ製薬のセデスでした。最初のうちは、飲む機会も少なく、その錠剤の大きさもさほど
気にもなりませんでした。しかし、段々と飲む機会も増え、貧血のために嚥下障害も出てくるように
なると、錠剤のその大きさが気になるようになりました。その後、ロキソニンを飲むようになり、ますます
、その大きさに疑問を覚えるようになりました。薬の有効成分は、グラム単位ではなく、ミリグラム単位
です。だから、錠剤の大きさは、形を整えるための補剤だと思います。薬を飲むのが困難になる子供
やお年寄りのためにも、錠剤もダイエットして頂きたいと思います。

 それと経口薬のみならず、座薬のほかに、塗り薬や点鼻薬、貼り薬など様々な形での使用が可能
になれば、その時々の状況や体調に合わせて使えることができ、とても便利になると思います。
 小さくて、一日に一回飲むだけで、その効果が持続して、しかも副作用が少ない薬が出てくると
いいなぁと思います。

第十九回 再びのピクノジェノール

 私は、最近、またピクノジェノールを飲み始めました。というのも、段々と痛みのある日が増えて
きたからです。しかも、痛みだけではなく、吐き気と嘔吐の症状が段々と強くなってきたからです。
 産婦人科なんかへ絶対に行くものかと思っていた私が、白旗を揚げたのも、絶え間なく続く痛み
と共に、何も食べなくても吐き気が続くという状況ににっちもさっちもいかなくなったからです。

 降参状態で始めたスプレキュアは、とんでもなく沢山の副作用がありました。しかし、腺筋症で
大きくなった子宮は、かなり小さくなりました。そして、スプレキュア服用中止後の三ヶ月間くらい
までは、生理を止めておかげで痛みから解放され、その間に貧血も改善されたこともあり快適で
した。しかし、その後、じりじりと症状も悪化し始めました。そんな時、目にした健康栄養補助食品
が、ピクノジェノールでした。子宮内膜症の痛みに効果があるというのです。早速、ピクノジェノール
に書かれている本を注文しました。届いた本を読んでみると、どうやら「若い人よりは中高年の人
の方が、しかも、痛みの軽い人よりは強い人の方がより効果が高く、しかも松のアレルギーによる
胃腸障害がある程度で、目立った副作用はない」ということでした。

 それまでも色々な広告を目にしましたが、直感的に試してみたいと思いました。4年前に購入しよう
とした時は、ホーファーリサーチ社認定のピクノジェノールを取り扱う会社は、一社しかありませんでし
た。どうせ試すのならば、純正なものを試したいと思いました。その当時は、一か月分で送料を入れて
3万円もしました。効けば薬は安いものですが、効かなければ高いものです。期待と共に飲み始めまし
た。痛みのある人は、まず一日に10錠から飲み始めて下さい、とありました。痛みに効果があれば、その
後は、一日3錠だということでした。ところが、10錠どころか3錠でも、何故か飲むと痛みが出てくるの
です。この痛みは、子宮の痛みではあるけれど、生理による痛みや腺筋症による痛みとは異なる痛み
でした。子宮がじわしわと締め付けられるような感じの痛みなのです。とりあえず、購入した分だけは
試してみたいと思い飲み続けました。とにかく連日の痛みと吐き気に困っていました。

 時々強くなる腹痛にしばしば中断しつつ、一か月分を三ヶ月以上かかって飲み終わりました。ピクノ
ジェノールについて書かれた本の中には、私のように飲み始めるとお腹が痛くなるという症例は載って
いませんでした。それと何故か私の場合は、生理が起きませんでした。もともと生理周期は人よりも長く
て、40日くらいの間隔でした。でも、ピクノジェノールを飲み始めると生理になりそうでならない、そんな
状態が何回かありました。ピクノジェノールを飲むのを止めると間もなく生理がありました。ピクノジェノール
と無月経の関係についても、本には書かれていません。

 ピクノジェノール服用中止後、初の生理は、痛みは軽く、しかも、あれほど悩まされた吐き気が消えて
いました。でも、出血量が物凄くて半端じゃありませんでした。三か月分、溜まっていた子宮内膜が一気
に排出されたせいでしょうか?未だに疑問です。このように、私には、効果がありました。しかし、効果が
見られる人の数は、ピクノジェノールに関する本で書かれているよりは、実際には少ないようです。

 今回、再び、ピクノジェノールを飲もうと検索してみると沢山のサイトがヒットしました。この4年の間に
ピクノジェノールは有名になり、その値段も下がり、取り扱う会社も増えていました。こうなると値段の
安さも勿論ですが、その品質が問題になります。その中から私は、慢性疲労症候群の患者さん向けに
個人輸入を始め、遂には合資会社まで作ってしまわれた岐阜県可児市の林医院から購入することに
しました。林医院は、最初に購入した会社の次にピクノジェノールを購入したところでした。林先生の誠
実な態度に、また飲む時は、ここでと決めていました。

 また、飲み始めたところ、一日3粒では、やはりお腹に痛みが出てしまいました。そこで、今は、毎日
1錠ずつ飲んでいます。丁度生理になりそうな時期に飲み始めたせいか、生理になりそうでならない
状態がまた続いています。続いていた痛みは、軽くなってきています。まだまだ飲み始めたところなの
で、今後どうなるかは分りません。またご報告したいと思います。

第二十回 砂漠のオアシス

 子宮腺筋症と診断されて、スプレキュアやナサニールやリュープリン、ゴセレリンなどのホルモン剤
を体験したことがない人は少ないと思います。大抵の人が、ホルモン剤を体験しているのではないで
しょうか。

 私も、39歳の時、今まで我慢に我慢を重ねてきたけれど、生理時の痛みと出血と貧血のほか、
連日続く痛みに、これはもう駄目だと白旗を揚げて病院へ行きました。血液検査後、ひどい貧血
があると言われました。そんなことは、言われなくても生理の時のとんでもない量の出血を思えば
当然のことでした。それよりも痛みを何とかして欲しいと思いました。でも、痛み止めの注射(ブスコ
パン)も効かず仕方がなく、研修医が気休めに?処方した二種類の鎮痛剤を抱えてタクシーで自
宅に戻りました。痛くて苦しくてどうしようもなくて、飲んだ鎮痛剤を飲むと一時間半ほどするとそれ
まで、うんうんと脂汗を流し、体をくの字にして苦しんでいたのに、突然、その痛みが本当に突然、
消えてしまいました。それが、ロキソニンとの馴れ初めでした。(笑)それまでは、市販のセデス一本
で凌いできていました。でも、病院へ行く頃には、殆ど効かなくて、効いている間も30分とかになっ
ていました。この時のロキソニンの有難かったことといったら!今、思い出してもロキソニン様様でした。
ロキソニンとの出会いがなければ、多分、子宮を全摘するしかないと思ったことでしょう。

 さて、その後、また病院で詳しく検査をして、MRI画像にて正式に子宮腺筋症と診断を受けました。
早速、貧血治療と共にスプレキュアにより、生理を止めることになりました。スプレキュアは、ナサニール
やリュープリンに比べて、日に三度それも片鼻ずつ噴霧しなければなりません。つまり、それだけ面倒
臭いのです。だからこそ、何か酷い副作用に見舞われた時には、すぐに服用を中止できるということで
、スプレキュアを選択しました。忙しいので面倒なので月に一度の注射だけで済むからと50歳前後の
女性が、リュープリンを選択していました。閉経まで、リュープリン中止で頑張りたいと言っていました。
でも、50歳近くで、リュープリン注射を続けると閉経後の骨量が心配だなぁと思いました。医者は、あまり
そのことについては、詳しい説明もないようでした。また、骨量を測定しましょうということも言われません
でした。骨粗しょう症も、女性の人生の質を考える上で大変な問題です。それなのに、ホルモン剤の投与
をする際に、医者はさほどの注意を図ってくれていないように感じます。

 スプレキュアを始めると今までにないくらいにちくちくとした激しい痛みが下腹部全体に起こり、不正
出血もありました。そしてその後、生理がなくなりました。私の場合は、スプレキュアの副作用は、稀な
副作用も含めて山とありました。それと軽い腹痛も続きました。多分、子宮全体が小さくなる時の痛み
だったのだと思います。飛び出ていた子宮が段々と小さくなっていくのが分りました。貧血の治療も生理
がないので、順調に進んでいきました。まるで、砂漠の中でオアシスを見つけ、喉の渇きを癒している
ような心地よさを感じました。体が、ほっとしているのが分りました。逆に言えば、今までの生理がどれだけ
体の負担となってきていたかということに気づかされました。

 生理がないということは本当に快適でした。出血がないので、生理用品の心配をしなくて済みます。
鎮痛剤を常備しなくてもいい。旅行でも何でも計画を立てることができます。いちいち子宮のご機嫌を
伺うことはないのです。スプレキュアの副作用で、夏の青空も私にはどんよりとしたものにしか感じら
れませんでしたが、それでも生理のない生活の素晴らしさ(とにかく体も心も楽に生きられます。)を
満喫することができました。

 問題は、スプレキュアの服用中止後の生理でした。最初の生理は、排卵がなかったせいか子宮が
まだ小さかったせいか本当に拍子抜けするほどの軽い生理でした。凝血も殆ど出ず、生理期間だって
5日くらいで済みました。2回目は、少し痛みがありましたが、それもセデスを何回か2日目に飲んだ
だけで済みました。期間は、7日くらいでした。でも、3回目の生理の時は、痛みも出血も以前よりは
少しは少ないものの、かなりのものになっていました。医者は、「腺筋症は再発するのは仕方がない
んです。貴女のためにも、子宮全摘を勧めます。すぐに全摘すれば、スッキリしますよ。」と言いました。
すぐに、手術のための入院手続きをするように看護師へ言いました。

 善は急げというわけです。スッキリかぁ。取れば、確かに生理はなくなり、生理時の煩わしさはなく
なります。鉄剤も飲まなくてよくなります。夜間用の高くてでかいナプキンも沢山買い込まなくても
済むし、シーツが血だらけになり、洗濯しなければならないこともなくなります。毎日のように続く痛み
ともさよならできる可能性が高いです。もし、そうでなくても、今に比べるとうんと痛みの度合いは軽く
なることでしょう。でも、医者が言うように、すぐに全摘すれば、スッキリする気がしませんでした。
スッキリ?体は、楽になるとは思いますが、全摘をすれば何もかにもこれで終わりという気持ちには
なれそうにはありませんでした。

 全摘手術を受けた人は、「生理を止めている間、これまでどんなに大変だったかがよく分かった。
薬を止めて、また以前のような大変な目に遭いたくないので全摘手術を受けることにしました。」と
話されることが結構あります。私もそうだろうなぁと思います。副作用はとんでもないものだけれど、
卵巣は摘出せずに、子宮だけを全摘すれば、女性ホルモン不足による更年期障害には悩まされず
に、生理のない快適さだけを手に入れることができるのですから。全摘手術を決心された方たちも、
生理による痛みや出血に苦しんでから相当の年数を経過しています。皆さん、なるべくなら全摘は
したくはないと考えていることが分ります。でも、ホルモン剤をして、生理のない快適さとホルモン剤
中止後の生理の苦しさを知ると全摘もやむなしと考えるようになるようです。

 スプレキュアなどのホルモン剤が見せてくれるオアシスは、子宮を取ってしまおうかと決断をする
背中を押す役目を果たしているようです。確かに、全摘をすれば、子宮腺筋症の小部屋というHP
などをこさえて、その管理人なんてやっていないでしょうね、当然。(笑)今頃は、腺筋症って何?
という状態かも知れません。でも、まだまだ子宮に未練がある私です。

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