[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

第百二十一章 今がピーク?

 
姉の生理はいつも28日周期ときちんとしたものだった。それがここ3ヵ月くらいは、その周期が
崩れてきたという。生理が1ヵ月半から2ヵ月近くやって来ないという。そして、痛みの方も少なくて
凄〜い楽になったという。姉は小さな筋腫が数個と内膜症がある。29歳で長女を出産後に生理痛
が酷くなり、32歳の時は、右のチョコレート嚢腫を核出手術している。子宮自体のサイズはほぼ普
通ということもあって、出血量は普通で、生理の期間も5日くらいだ。痛みも出血も二日目と時に
よっては、三日目もピークになるというごく普通のバターンだった。そして生理以外の時は痛みも
出血もない。ただ、生理時の痛みがどんどん増してきていた。
 
 32歳で内膜症の治療をして、更に14年振りに次女を43歳で出産後は、それほどの痛みでは
なかったのが、47歳頃から以前のような内膜症の痛みを感じるようになっていった。そして、おと
といから去年の夏にかけては、生理でもないのに痛みが出てきて、腺筋症持ちの私と同じような
時、例えば雪かきなどの体を動かした後や体が冷えた後には、継続した強い痛みに襲われるよう
になっていた。ロキソニンも毎日のように飲むようになり、このままどんどん痛み止めを飲まないと
いられない状態が続いたらどうしようかと心配していた。

 ところが、それが、半年前くらいから和らいできたという。そして生理の周期が乱れてきた3ヵ月
前には、生理以外の日の痛みは影をひそめたという。また、生理の時の出血も少なく、第一あれほ
ど苦しんでいた痛みが激減したという。痛み止めも飲む必要もないらしい。「とにかく凄く楽」なんだ
そうな。姉が言うには、「あんたももう少しの辛抱だと思うよ。あと二年経てば(私と姉は二歳違いの
姉妹だ)あんたも腺筋症痛みと出血から解放されるよ。きっとあんたは今がピークなんだよ。」

 えっ、今がピーク?これからは、段々と症状が治まってきて、ロキソニンとも縁が切れる可能性
が高いということか。確かに日本人の閉経時期の平均値は、50歳から51歳だ。姉もあと何年か
何ヶ月かのちには、閉経という時期がやって来るのだろう。母は、36歳の時に子宮筋腫のために
子宮全摘をしているので、いつ閉経したのかは分らないままだ。母は、更年期障害という症状は
なかったので、ますますいつ閉経したかが分らない。姉妹なんだから、卵巣の機能の低下も同じ
ように起こる可能性は高い。

 あと二年で腺筋症があっても腺筋症を気にしないで生活できるようになるかも知れない。これか
らは、どうやら腺筋症の痛みや出血の心配よりも、のぼせなどの更年期障害との長いお付き合いが
始まるのかも知れない。母のように更年期障害が出なければ、11歳からの長い付き合いの腺筋症
で失われた健康体を取り戻せるかも知れない。そうだといいな。

第百二十二章 初老

 
50歳は初老と言われる年になる。今年5月で49歳になる私は、残り一年で、この初老に突入
することとなる。今年、高校の同級生から貰った年賀状に、「私も最近、かなり老けてきた気も
する」とありました。文面が、かなり老けてきました、ではなくて、かなり老けてきた気がする、と書か
れているところに妙に共感しました。私も彼女と同じだったからです。完全に自分から見ても他人
から見ても、老けたと印象を抱かせている気はしないが、時々、ふと私も年だなぁと実感する機会
が増えてきた。

 閉経という女の機能の限界など全く気に留めることもなく、腺筋症と闘うことだけに専念できる
年ではなくなったなと思う。閉経と更年期を横に眺めつつ、腺筋症の治療を考えるように変わって
きた。この小部屋を始めた当初は、40代に突入したとはいえ、42歳でまだまだ更年期とか閉経
は遠い存在だった。それが今は腺筋症のことだけしか見えない状態ではなくなってきている。
それだけ年を取ったということだろう。最近の小部屋の訪問者の年齢や書き込みを読むと、これ
からは若い年代の人たちが主流となる腺筋症のサイトが必要だと思う。できれば、20代や30代
の恋愛や結婚、妊娠と出産、そしてそれに向けての腺筋症の治療の情報交換ができる場を提供
するサイトが開設できることを期待している。

 50歳という初老に近づいてきて、小部屋を管理することに限界を強く感じるようになってきた。
中途半端な管理で小部屋を続けていくよりは、私は小部屋を辞めたいと思う。

第百二十三章 変化


 人間は、年を重ねるごとに心と体が変化する。そして、腺筋症という病気も変化し続けるもの
のようだ。痛みは、痛みに耐え切れずに初潮時から死んでも行きたくないなと思っていた大嫌い
な産婦人科の門を叩いた時まで、真っ直ぐ一直線上に痛みは増していった。そして、痛みの質
も純粋な痛みだった。先の尖った刃物で切りつけられたような痛みや千枚通しで刺された時の
ような局所的に鋭い痛みを感じた。生理の時の痛み、特に二日目から三日目、時には四日目
までは、夜中も痛みと出血のひどさで眠れなかったものだ。自然と脂汗が滲み出て、奥歯で
痛みをこえていた。そんなこともあり、歯が悪くなったように思う。痛み止めが効いてきた頃には
下着まで汗だらけになっていた。冬の寒さも分らないほどの汗をかいた。痛みを我慢すると血圧
が上がるためだろう、体が熱くて汗が流れた。

 出血も、初潮時は、ただ単に痛みがひどく吐き気があっただけでそう多くもなかった。しかし、
中学二年頃になった頃には、既に血の塊が出てくるようになった。そして、高校生になると大きな
ナプキンを当てていても下着に血が付く状態になっていた。このまま過多月経がどんどんひどくなる
とどうなるのだろうと貧血がどうのこうのというよりも、下着が汚れる心配の方が先にきた。祖母や
母の時代に生きていたら、私はきっと早い段階で子宮を全摘するしかなかったろう。腺筋症による
過多月経が進む中、丁度、女性用のナプキンの開発が進んでいた。生理用ナプキンの開発がな
ければ、きっとまともな生活はできなかったことだろう。止む得ずに子宮を全摘していたことだろう。
生理ナプキンの進化には、とても感謝をしている。これからも過多月経でも活動できる安くて便利
でコンパクトで吸収度が高いものの開発に万進して欲しいものだ。

 貧血に関しては、最初のうちは徐徐に進行していたのだが、高校三年生から大学生の頃に
かけて、出血量が半端じゃなくなってきたので、いかにも貧血だという自覚症状が出てきた。
過多月経が続けば貧血になる。それは当たり前だ。と貧血を侮っていた。そして段々と貧血は
進行して慢性的な貧血状態になっていった。体を動かすと動悸がしたりめまいがしたりした。
だるさも続いた。頭が痛くなったり考えがまとまらなかったりすることも多くなった。本を読んで
もその内容が頭になかなか入らなくなった。姉が30歳を越えると記憶力が悪くなると言うと
私もそうなのかなぁと思ってみたりした。時間をかけて進む貧血の恐ろしさにはまだ気が付いて
はいなかった。

 31歳から32歳は、母の膵臓癌の発症とその看病と葬式、四十九日の法要などで、腺筋症
については考える余裕もなく、市販の痛み止めを痛みがくなるまで飲んだ。市販の薬を飲むと
痛みはなくなったが、出血はひどくなった。それでも、そんなことには構っていらない状態だった。
自分の健康について考える暇もなかった。そして、母の看病をするためにと通っていた道すがら
に、左の足の付け根に初めて痛みを感じた。それは最初は鈍痛だった。しかし、その鈍痛は一度
出始めたら、長い間、じっと左足のその場所に居座った。生理の日でもないのに、それからは
子宮以外の痛みが出始めた。生理前と生理中の痛みとは長い付き合いだったが、それがこの頃
には、生理が終わっても子宮内膜が剥がれた後がひりひりしているような深いところからの痛み
があった。

 左足の太ももの付け根に出た痛みは鈍痛から鋭い痛みに変わっていった。それから少し
経つと今度はお腹の子宮ではなく腹筋が痛み出すようになった。腹筋が痛み出すと胃腸も
巻き込んで不調になっていった。運動や筋肉労働をした後、休憩を取っていると痛み出す。
最初は、腺筋症と関係があるのかどうかも分らなかった。日頃の運動不足のせいだ、筋肉痛
だと言われたりもした。しかし、どうやらこれは左足の太ももの付け根の痛みと同様に子宮から
来るもののようだということが分った。

 ストレスとは物凄いものだ。母の膵臓癌が分り、看病をして、死んでいった。その間に腺筋症
に侵された子宮はどんどんと肥え太り、お腹が出てきた。妊娠したらこういう具合に段々とお腹
が出てくるのだろうなぁと思った。それくらいに短期間に成長した。そして痛みのある時間が増え
ていった。産婦人科へ行く頃には、1日中痛みと一緒だった。死んでも行きたくない産婦人科だ
ったが、痛みに耐えるのも1ヵ月が限界だった。子宮を取ってもいいからとにかくこの痛みを取って
欲しい。もう我慢できない。痛み止めももう効かない。病院へ行くしかないな。こういう全く後ろ向
きの動機で私は、産婦人科へ行き、腺筋症の患者となった。それまでは、病人ではあっても
患者だけにはなりたくないと思っていた。痛みは死よりも恐ろしいものだとシュバイツアー博士が
言ったそうだが、正しくそう思う。

第百二十四章 冷え

 
気が付いた頃はもう冷え性だった。足先や指先が冷たくてなかなか寝付けなかった思い出
がある。腺筋症になってからは過多月経による貧血がどんどん進み、ますます冷え性がひどく
なっていった。冷えは皮膚の表面だけではない。体の芯から冷えている。肉ではなく骨の髄から
冷たいのだ。脳出血などで脳が浮腫に陥った時に、脳の腫れを抑えるために低体温療法がな
される。体温を下げて体を冷えすことによって脳を守ろうというわけだ。この低体温療法は、治療
後に再び体温までに上げる段階で肺炎などの感染症に見舞われるという。つまり、低体温下では
体全体の免疫力が下がるということだ。冷えを防ぐことは免疫力をつけることに繋がるのだ。

 腺筋症が進み、毎日生きているのがやっとという頃は、夏でも寒く感じるほどに冷え性は
ひどくなっていた。同時に免疫力も下がっていたのだろう。この頃は、食べ物のアレルギー
や薬の副作用などの症状が強く出ていた。冷えは万病の元だなぁと最近思う。今まではとにかく
腺筋症の激しい痛みをどうにかして欲しい。貧血があっても過多月経があってもいいから、とにか
く痛みさえなければ何とかなる。ましてや冷えなんて病気のうちに入らないと思っていた。でも、
冷えを放っておくと痛みは強くなり、体のあちこちが重苦しくなってくる。それに伴って生理痛も
出血量も増えていく。体を温めることは、病気改善の第一歩だと思う。

 先日、暖房を入れていない寒い部屋でパソコン操作を二時間ほどしたら、頭の先から足先まで
まるで冷水を浴びたような底冷えがした。電気敷き毛布の目盛りを強にしても一向に暖かくなら
ずに、熱が全てどこかに逃げていった。久し振りの生きているのが苦しい重苦しさを体験した。
婦人病に限らず、病気持ちはあまり寒いところに長い時間いるのは良くないなぁと感じた。
北海道や東北地方に住むよりは、気候が温暖なところに住んだ方が病気のためにはいいの
だろう。少なくとも雪かき後の激しい痛みは体験しなくて済むだろう。北海道の豪雪地帯に住む
人間は腺筋症になっちゃいけないと思う。でも、これは難しいなぁ。(笑)

第百二十五章 延髄

 
私の痛みは、まず太もも(最近は右側)の前側の突っ張るような痛みから始まる。その後、
痛みは肩こりの太もも版のようになり、下のふくらはぎに進む。その次は、腺筋症の親玉の巣
である子宮周辺が痛み出す。この痛みが出ると子宮は大きく硬くなる。そして奥に引き込まれる
ような痛みが出てくる。その痛みが強くなってくると今度は胃が出てくる。そして胃の噴門部が
開き、逆に幽門部が締め付けられて胃液が口の方向へ上がってくる。そして最後は吐き気
あるいは吐く。吐くという行為は脳の延髄が刺激を受けて起こる。太ももから発した痛みは
遂に脳の延髄にまで届いて痛みは最高潮に達することとなる。

 もうこうなってしまうとロキソニンは1錠飲んでも駄目で、2錠でもどうかな。えい3錠かと
いう具合になる。とにかく痛みを抑えておかないと気持ちの悪さがずっと続く。痛みは勿論
だが、この吐き気や嘔吐はつらい。

 生理の時に、よく咳が出て困っているのだが、これも延髄が刺激されてのことではない
だろうか。痛みは脳で感じるものだ。痛みは、脳の視床を経由する。痛みを感じると共に
その痛みの刺激が延髄を刺激したとしても何ら不思議はないだろう。延髄は、生命活動
に必要な働きをする重要な場所だ。延髄が刺激されれば、体温や血圧や呼吸などに影響
を与えることだろう。延髄に刺激を与える物質が腺筋症の病巣から分泌されているような
気がするのだが、事実はどうなんだろうか。脳と子宮の関係を知りたいと思う。

第百二十六章 お腹の出っ張り

 
私が腺筋症になったのは、初経時からだと思っている。最初にお腹の異常に気が付いた
のは(生理痛を除けばの話しだが)、中学生の終わり頃だった。その頃はお腹はぺたっと
平べったくてスマートそのものだった。痩せていたということも勿論あるのだが、子宮の存在
を感じることはなかった。それが高校を卒業する頃には、お腹の上から触ってみてお腹全体
の硬さを感じるようになった。でも、その頃は子宮らしきものに触れることはなかった。

 お腹が出てきたなと感じ始めたのは、25歳を過ぎた頃だ。その頃から生理痛はどんどん
進み、過多月経も半端ではなくなってきた。血の塊は沢山出るし、塊の一個一個の大きさが
段々と大きくなっていった。ロングサイズの生理用ナプキンもどんどん減っていった。生理
用ナプキンの新製品が出る度に大きなサイズのものを購入した。市販の痛み止めもあっとい
う間になくなっていった。でも、まだ市販の薬も効いてくれていた。

 30歳を過ぎるとお腹は目に見えて出てきた。中年太りかと思うほどだった。だが、それは
脂肪というよりは硬いものがお腹の中にあると分っていた。そしてそれが子宮だということ
も分っていた。市販の薬もあまり効かなくなってきて、何度も沢山飲み、生理になる度に
胃を荒らしていた。でも、生理以外の痛みはまだなかった。

 そんな時、母が膵臓がんになり、その看病をすることになった。私の腺筋症が進んだ
はこの頃のことだ。母の膵臓がんと共に私の腺筋症も進行したようだ。それまではなかった
生理以外の痛みを感じるようになった。子宮が大きくなってお腹がぽこっと出ていると
いうよりも出て苦しいまでになってきた。この出っ張りは、その後のスプレキュア服用で
小さくなり、今もその頃ほど立派ではない。この腺筋症が急激に進んだ時は、ぐんぐん
お腹が大きくなっていくのが分った。妊娠はしたことがないが、子供がお腹の中にいたら
妊娠が進むにつれて、こんな感じなるのだろうなぁと思った。

お腹の出っ張りを触る度に私は腺筋症患者なんだなぁと自覚させられる。ああ、また
昔のようにスッキリとしたお腹に戻りたいなぁ。そのためには、子宮を全摘するか閉経
してしまうかしかいのたろうなぁ。お腹の出っ張りは、トレイが近くなったり腸の具合を
悪くしたりもする。お腹の上から触って、こんな硬いものが膀胱や腸の近くにで〜んと
構えていてデカイ顔をしているのだから当然だろう。
 
第百二十七章 癌

 
 癌と腺筋症との関係についての文献をたまに目にする。腺筋症はそうではない人よりも
子宮体癌になりやすいようだ。特に閉経後は要注意だという。若い頃から腺筋症に苦しんだ
人たちは、更年期の頃から注意が必要だという。長い間、病気で苦しんでようやく生理が
終わるか終わったかと一安心した頃に癌になるなんて、本当に神も仏もないなと思う。まし
てや私は癌家系の一員だ。考えてみれば、母も最後は膵臓癌だったが、36歳で子宮筋腫
ために子宮を全摘している。良性腫瘍になるということは、悪性腫瘍にもなりやすい体質だ
ということだろう。

 子宮が悪い人は子宮だけではなく卵巣や乳房など女性ホルモンが関与する臓器に
病気が出る場合が多い。小さい頃、まだ私が生理になる前に月経のように毎月毎月
巡ってくるものにまつわる病気だけにはなりたくないなと思っていた。自分が女だと
自覚せざる得ない状況が嫌だった。男性がいいというわけではないが、女性である
ことに厄介だなぁと感じていた。毎月生理があるなんて面倒臭い。面倒臭いだけでなく、
その上に月経痛なんかがあったら、たまらない。そうはなって欲しくない。

 人間、そうなって欲しくない状況にいつの間にかなってしまうものだ。UAEを受けた
筋腫の人が入院した時、周りは癌患者ばかりだったそうだ。そして、その癌患者たち
は、以前に子宮筋腫で子宮の全摘術を受けていたという。子宮筋腫で全摘したから
癌になったということもないだろうが、母の場合も子宮筋腫で全摘をしている。筋腫の
まま全摘しないでいたら、癌にならなかったということはないだろうか。母の時代は、
子供を既に産んでいて筋腫が見つかったら全摘をするのがブームのようになっていた。
母の周りにも筋腫で全摘手術を受けた人たちが大勢いた。

 子宮の全摘手術によって体全体の体質が変化するということはないだろうか。癌に
なりやすい家系の人間が全摘をすると癌を発症しやすくなるというとはないのだろうか。
こんなことについ研究したり統計を取ったりしている人はいないだろうなぁ。でも、腺筋症
と子宮体癌の関係だけでなく、他の癌との関係も気にかかる。

 腺筋症についての研究がもっと大規模に行われれば、腺筋症になりやすい人や
原因になるかも知れない要素が見つかるのではないだろうか。腺筋症の研究者が
増えて欲しいと思う。
 
第百二十八章 重力

 
アイザック・ニュートンがペストの流行で田舎に戻って家に篭った中で発見した
と言われる重力だが、日頃はその存在には目もくれない。私に関して言えば、朝
起きる上がる時くらいものだ。空気と水はお金がかからないと長い間言われていたが
最近は空気にも水にもお金をかける人たちが増えてきた。だが、重力については
どうだろか。地球上に住んでいて重力を受け続けているのが当たり前になって
いて、重力の持つ大切さについては全く考えない人が殆どではないだろうか。

 『宇宙飛行士は早く老ける?重力と老化の深い関係』というNASAに携わる研究者
が書いた本を読むと、人にとっていかに重力が大切かが良く分る。重力が及ばない
宇宙空間で過ごす宇宙飛行士は、もの凄いスピードで老化してしまうという。重力が
あることによって筋肉が刺激され、そして骨が維持されているのだ。宇宙飛行士という
一般の人たちよりも体力がある健康な人たちさえも短期間で老化させてしまう無重力
状態は頭で考えているよりも恐ろしい減少だ。宇宙の1週間は地上の一年間にも相当
するスピードで体を老化させてしまうものらしい。普通の老化と違うのは、地上に戻り
重力の支配を受けると改善されることだ。しかし、その改善には努力がいるし、時間も
かかる。

 腺筋症がどんどん酷くなり、痛みが最初は生理の時の二日間だけであったのが、そのうち
三日間になり、やがて生理の間中痛むようになり、その後は生理前にも生理後にも痛む
ようになり、最近は毎日が痛いという状態になっている。痛みがそんなになかった頃は歩
いたり体をまめに動かすことが好きだったのに、痛みのある日が増えるごとに段々と体を
動かすのがつらくなってきた。歩いたり動いたりした後は、子宮や太ももが激しく痛むのだ。
この痛みさえなければと思っていた。しかし、この本を読んで体は動かないといけないと
思った。若い細胞は重力に逆らい動くが、ある程度の年齢が行くと重力に逆らう努力をしな
ければ、老化する一方だと分った。それまでは、体を動かすことは大切だけれど重力に逆らう
ことが大切だとはあまり考えてはいなかった。

 重力の作用は、筋肉を動かすことによって体を強くする。だから運動は健康によいから
するのではなくて生きていくためには必要なのだと思った。無重力空間では、身長が2センチ
から5センチも伸びるのだそうだ。椎間板が伸びるせいだが、伸びると背骨に痛みが走ると
いう。そして顔は副腎ステロイドホルモンの過剰摂取時のような月面様容貌、いわゆるムン
フェースになる。重力がないため下肢に血液が流れにくくな上体に溜まるためだ。骨にも筋肉
にも重力という刺激が働かないと筋肉も骨も地上で生きていくために必要な分も削られていって
いまう。脳も体も使いすぎは良くないが適度に使わないと萎縮してしまうのだ。

 体は、子宮とか脳とかの単一の臓器だけでできているのではない。互いの臓器が連携
して円滑に動いている。この本を読んでから、日常の生活の中で重力を意識するようになっ
た。現代社会は、文明の利器を使うことによって、どんどん地上にいながら無重力に近い
生活を続けていることが生活習慣病の引き金になっているといえる。折角、この世に無料で
存在してくれている重力を利用、つまり重力に逆らい続ける努力が寝たきりやボケを防ぐ
ことに繋がるのだ。健康食品や薬にお金をかけるのではなく、重力に逆らうことで病気を予防
できる。そう知ったからには、こまめに重力を利用して健康作りをしようと思う。何せ、高い金
を払わずして健康になれるのだから。

 と、ここで子宮腺筋症について考えてみた。子宮は小刻みに動いているらしい。この動き
も重力に抵抗して健康な筋肉を保つために必要なのかも知れない。それでは腺筋症はどう
なのか。何故、腺筋症は子宮内膜から筋層へと進んでいくのか。血流に沿って病巣は運ばれ
て行き、そこで増殖をして増えて行くのだろう。これが宇宙空間ならば、血流もうまく流れず
子宮の内膜から筋層へと侵入する力もないかも知れない。それにしても宇宙飛行士の女性
たちは、月経時はいかにして過ごしているのだろうか。過多月経なんかあった日には宇宙服の
中は経血で溢れてしまうだろうなぁ。第一、過多月経の人は宇宙飛行士にはなれないだろうなぁ。
 子宮の病気も重力で治す方法なんて出て来ないかしらん。

第百二十九章 便秘と下痢

 
生理が始まって以来、気になることがある。それは便秘と下痢についてである。汚い話しに
なってしまいますが書いてみる。私は、生理が始まるまでは、胃腸の調子は極めて良かった。
バナナ状のうんちを出していた。オシッコは近かったものの、それはお茶を飲むのが大好きだ
ったからだと思う。だが、初潮以来、様子が変わった。便秘になったのだ。お茶の飲みすぎだ
とも言われたが、それまでと同じ量のお茶を飲んでいたのだから、納得できない。中学、高校と
学年が上がるにつれて便秘が酷くなっていった。一番酷かったのは高校生から大学生の頃
だった。25歳を過ぎてからは、便意がある時にトイレへ行く、朝一番は冷たい水を飲むなど
の習慣の改善でたまに便秘になるくらいになった。

 逆に増えてきたのが下痢だ。子宮内膜症の人は良く下痢をするというが、私の場合は
腺筋症の進行が進むにつれて痛みと共に下痢気味になる時が増えてきた。そして、よく
考えてみると生理が近づいてくるにつれて、普通の便から便秘気味となり、便の量が増えて
下痢気味になってくる。そして生理になると下痢気味の時が増えてくる。そして生理のピーク
が過ぎると便も普通になってくるのだ。生理の時は生理痛と過多月経だけでも十分不快な
のに、胃腸の具合にも神経を遣わないといけない。痛いのはつらい。過多月経は煩わしい。
そして胃腸の不調は不安の種になる。

 腺筋症があり、痛み止めを飲むせいで胃腸が悪くなる。胃腸が悪くなるから下痢や便秘
にもなる。それもあるだろうが、腺筋症の存在そのものが胃腸の動きを悪くさせるようだ。
腺筋症は子宮という臓器だけの病気ではなくて、動脈硬化と同様に全身の病気かも知れない
と思う。

第百三十章 歯磨き

 歯磨きと子宮腺筋症とどういう関係があるのか、と思うかも知れないが、インターネット
で子宮内膜症と歯周病には深い関係があるかも知れないという記述があった。歯周病を
起こす菌は主に三種類あるそうだ。この菌は単に口の中にいて歯周病を起こして歯槽膿漏
で歯を溶かし歯茎も消える悪い奴だけでは済まないようなのだ。

 動脈硬化で心筋梗塞を起こした人の血管を調べたところ、コレステロールと共に歯周病菌
が見つかったという。そして、この歯周病菌が血管に炎症を起こしているようなのだ。この歯周
病菌は糖尿病やタバコ飲みの若い男性の手や足の指が壊死いるバージャー病にも関係して
いるとの報告もある。

 老人ホームでの悪臭の大半は、便や尿などの排泄物ではなく、歯周病菌により歯槽膿漏
となっていることによるものらしい。排泄物は交換しても口の中の清潔さを保つ手間を省く
ことが多いのだろう。歯磨きと言っても歯そのものを磨くだけではいけない。歯垢は歯の根元
と歯茎にかけて一番溜まりやすい。だから、歯だけではなく歯茎も磨く必要がある。歯磨き
とは言わず、口腔清掃と言って欲しいと思う。つまり、歯と歯茎を含めた口の中全体の汚れを
取ることか口臭と虫歯・歯周病予防となるのだ。歯垢をためないためには、歯と歯の間に溜ま
った食べ物を取るために糸ようじと呼ばれるデンタルフロスを使い、大きな隙間には歯間ブラシ
を使うことだ。歯ブラシはこまめに時間をかけて汚れを取ることだ。

 子宮腺筋症と歯周病の関係は定かではないが、動脈硬化や生活習慣病など口腔清掃は
健康であるためには必要なことだと思う。昔は人生50歳だったけれど、これからは元気な50歳
以降であるために歯磨きをきちんとしたいと思っている。歯磨きは老人に多い肺炎防止にも
大切なことだと言う。また歯茎を刺激することによって脳を活性化するという。脳を鍛えるドリル
よりも毎日の歯磨きでボケ防止ができるのなら、これは一石二鳥ではないだろうか。


第百三十一章 問題は血流 

  子宮の痛みを考えてると、一番の問題は血流かなぁと思う。頭痛も子宮も血管が
広がる時に痛みを感じるのだろう。だからこそ交感神経に作用して血管を収縮させる
解熱鎮痛剤で痛みが一時的に取れるのだろう。血管が広がって血が子宮に集中する
だけでは痛みは起きないと思う。子宮に血が溜まっている時、痛みがある部分の太もも
や足先は冷たい。そして痛みがない方の太ももや足先は冷たくならない。子宮に溜まっ
ている血が冷たくなった部分へ流れにくくなっているのだと思う。問題は血流が良いか
悪いかだと思う。

 子宮の血流を良くすることができれば、例え痛みの物質が分泌されたとしても一箇所に
長く留まることがなくて強い痛みを感じることがなくなるのではないだろか。血流が良くな
れば筋肉や神経の動きも良くなる。新潟大学医学部の安保徹氏が痛みを取るためには
血流を良くしないといけない。そのためには、血管を収縮させて血の流れを止めて体を
冷やす鎮痛剤の服用は免疫力を低下させてしまい、ますます痛みを引き起こす体になって
しまうのだと説いている。

 しかし、解熱鎮痛剤が、子宮に偏って血が溜まってしまった広がっている血管を収縮させ
て、子宮の下の臓器や筋肉などに血を流してくれるで痛みが取れるのではないだろうか。
実際に、ロキソニンを飲むと今まで痛むだけではなく冷たくなっている腰や足先やお腹が
暖かくなる。体を冷やしてはいない。むしろ体が温かくなる。関節リュウマチの場合などは
どうかは分らないが、子宮腺筋症のように一つの臓器に血が溜まり流れが良くなくて痛み
が出ている場合は、高い圧力をかけて余分な血を追い出して血流を正常にさせることが
体に良いと思う。

第百三十二章 炎症


 内膜症や腺筋症が筋腫に比べて厄介なのは、病巣が健康な部分とはっきりと
した境界が見つけられないことと生理の度に出血をして炎症や癒着が広がって
しまうことだろう。しかも、良性腫瘍なのにがんと同じように転移もすれば浸潤も
してしまう。内膜症や腺筋症の病巣が何故痛みを引き起こすのか。あるいは同じ
ような状態でありながら痛みを感じる人とそうではない人がいるのか。痛みという
ものは、本当に不思議なものだ。

 だが、痛みを感じる人にとって、子宮筋層内の腺筋症の病巣が引き起こす炎症
の存在が大きいのではないだろうか。病気が進行していくつれて炎症を起こす体積
が増えていくにつれて痛みも強くなっていくのだと思う。筋腫や腺筋症のために子宮
内腔が広がると子宮内膜が引き延ばされて過多月経になると言われている。私の考
えでは、筋腫だけではなく子宮内膜近くに腺筋症の病巣が増えてくると痛みも強くな
るのではないだろうか。子宮内膜の機能層、つまり生理の際に剥がれて経血として
出てくる部分が剥がれても痛みはないと本に書いてあった。しかし、それが本当だと
しても、基底層、つまり生理によっても剥がれない部分に腺筋症ができていると物凄い
痛みを引き起こすのではないだろうか。

 子宮腺筋症の経過を考えると最初は、生理前の不快な症状と生理2日目の激痛
だけで済んでいたものが、そのうちに生理2日目、3日目に激痛を感じるようになった。
それが生理期間中ずっと痛むようなり、そのうちに生理以外の日も痛み出すようにな
った。生理以外の時の痛みは、生理の時と違うもので、最初のうちは筋肉痛かと思う
痛みだった。それまではなかった力仕事後の腹筋の痛みと吐き気が起きるようになった。
冬の期間は除雪後に子宮から足先にかけての下半身の寒さを伴う激しい痛みも起き
るようになった。そして、それは市販の痛み止めを飲んでも一時間くらいしか効き目が
なくなった。効かないせいで飲む量が増えて胃腸の具合がどんどんひどくなった。

 産婦人科の門を叩いた頃の子宮は、炎症だらけでコントロールが取れない状態に
なっていたのではいだろうか。スプレキュアは二度としたくない薬だが、スプレキュア
をしていた半年間は、この炎症だらけの子宮を立て直すための貴重なし時間になった
と思う。いつもは、単に痛み止めという意識しかないが、消炎鎮痛剤で、これが腺筋症
による炎症を抑えてくれているのだなぁと思う。

 それにしても、どうして腺筋症や内膜症って静かに、そこにいてくれないのかぁと思う。
痛みさえなければ、こんなにつらい思いをしないといけない女性の数がどれだけ減って
助かることか。やっぱり痛いのは嫌だ。

第百三十三章 集中力

 腺筋症になってなくなったものは、色々とある。その中の一つに集中力がある。
勉強でも仕事でも何かしようとする時に、痛みがあると集中力が削がれる。人間
具合が悪くなると、もうこの辺でいいや。そんなに無理してまでしたくないと思って
しまう。それが段々と積み重なってきて、いつの間にかできることやしなければなら
ないことがあっても元気な時の三分の一くらいでできるような物ではないとしようと
しなくなってしまう。

 いつ痛みが出て来るか。生理が始まったらどうしようとか常に腺筋症のとこを考えて
行動することとなってくる。病気が軽いうちでも、生理や痛みは気がかりなことだが、
病気が進行してくると生活に占める腺筋症の割合は大きなり、消極的な生き方をする
ようになっていく。痛みがなければ、どんなに幸せだろうと思う。痛みと病気がどんどん
と進行する中で、やはりこれをどうにかしければ人間としてというよりも生き物では
いられない、ただのモノそのものになってしまうのではないかという不安を覚えた。

 集中力は、健康でなければ続かない。特に痛みがあると難しい。まだ痛みが生理
の時の二日間に限られていた頃は、その二日間のことを頭の中から追い出して自分
は元気なのだ。月に二日だけは使い物にはらないけれど、あとは健康だと思い切れた。
でも、毎日のように痛みがある生活が日常となってくると痛みがない、飛び飛びの時間
に集中して物事を処理するように心がけるようになっている。


 本当は、一日中痛みがなくて一つのことに没頭できる時間ができればいいのだが、
手術や医師が嫌いな私には、当分は無理な話しだ。

第百三十四章 副交感神経

 現代人は、体を動かす機会が少ない。しかも栄養状態もいいので、昔に比べて副交
感神経が働くことが多い。そのせいで副交感神経と交感神経のパランスが崩れ、アレル
ギー疾患が増えているという。戦争など心身ともに緊張を強いられ、しかも栄養状態が
悪い国の人から見ると感染症などにかかりにくい。副交感神経が優位となる生活が
できる環境にあるのは、幸せなことだと言える。

 だが、副交感神経が働く過ぎると自己免疫疾患という病気が増えてくる。内膜症や
腺筋症もきっとアレルギー体質と深い関係があるのだろう。私の場合は、小さい頃は
最近あまりはやらないが、蕁麻疹や小児喘息で苦しんでいた。それが生理が始まる
頃には軽くなった。このままで元気でいられればいいなぁと思っていたら、初潮が来て
いきなりの強い生理痛に苦しめられるようになった。そして腺筋症がひどくなるにつれて
他のアレルギー疾患は病状が軽くなってきた。ただ一つ冷え性だはずっと続いていた。

 それが変わったのは、腺筋症と診断されて女性ホルモンの分泌を抑えるスプレキュア
を服用してからだ。39歳で腺筋症と診断されて、スプレキュアをワンクール終えた頃は
40歳となっていた。スプレキュア服用中に、のぼせやほっとフラッシュなど今まで体験を
したことがない更年期によく似た症状が出た場合は、薬の副作用だと医師も言う。しかし、
スプレキュアの服用を終えて半年過ぎても、その副作用の症状が取れず、不調が続くと
それは年齢的なのとされてしまうようだ。

 スプレキュアなどのホルモン剤を使うことがなければ、こんなにずっと更年期様症状を
抱えていることもなかったと考えているような体調の悪さを持つ人たちは多いのではな
いだろうか。ホルモン剤は閉経を待たず一時的に生理を止めて病気の進行を防いでくれ
る。その間に、これからのことなど考える時間が持てる。その一方で、視床下部や脳下垂
体や卵巣に大きな影響を与えることとなる。

 貧血が良くなったせいもあるのだろうが、今までは感じなかったほてりを感じるのは、
年齢的なものは否定できないが、スプレキュアの投与で、ホルモンバランスが崩れて
未だに自律神経が正常に働かないせいではないかと思っている。死んだ母は、更年期は
難しいことを考えているえらい人がなるものだ。だから我が家の女性たちは大丈夫、と
言っていた。更年期障害は、母親など遺伝的なものが大きいという。だとすると私も
更年期障害がない可能性が高いのかも知れない。そうだと嬉しいのだが、はて?

第百三十五章 鍛える?


 北海道まりもは、筋腫と内膜症などの良性疾患の婦人病の自助グループだ。会合は
2ヵ月に一度、奇数月の日曜日に開催している。参加したいとメールで連絡してきたり
直接会場に来られる人はいるが、会員なっても会のためにと積極的に動いてくれる
人は少ない。することといっても2ヵ月に一度の会合に参加して新規参加者の相談相手
になってくれることとHPの運営、主に掲示板の運営と管理くらいのものだ。それでも、
負担が重いと断られてしまう。だから、たんぽぽや日本子宮内膜症協会などのもっと
大きくて催し物もあり、機関誌も出している自助グループを運営している人たちは、本当に
大変だなぁといつも思っている。自助グループとは言いながら、他助はしたくない人たち
が多いのは悲しいけれど、それが実態だ。

 さて、題名の「鍛える」というのは、北海道まりもの会合での話しだ。「子宮筋腫って
一体何で出来ているんですか?」という質問が出た。子宮は筋肉でできているけれど
筋腫は何でできているのだ。脂肪の塊か吹き出物みたいな出来物何かかというのだ。
「それは・・・筋腫というのですから、筋肉ですよ。子宮筋層とは別の筋肉ですよ。筋腫も
子宮も平滑筋という筋肉で出来ています。」「それでは、筋肉だから鍛えられるのかしら。」
「鍛える・・・ですか?」

 子宮を鍛える。ん〜、内膜症や腺筋症は筋肉組織じゃないから鍛えられないけれど
子宮筋腫は筋肉だから鍛えることができるんではないかというのです。骨格筋は鍛えら
れるけれど胃や腸など内臓は平滑筋でできていて、平滑筋は自分の意思では鍛えられ
ないと思いますよ、と話しました。筋腫も筋肉だから鍛えられる。そんなことはないけれど
凄い発想だなぁと思いました。腺筋症も鍛えていけば消滅していってくれれば、どういう
形で鍛えるのかは分らないけれど一生懸命鍛えてみたいものだと思いました。

 でも、筋腫を鍛えることが出来たとして、何か特典ってあるのかしらん。皆さん、どう
思いますか。


第百三十六章 時間 

 
病気と時間の関係は深い。病気になった時の年齢、結婚したり妊娠したりする時の
年齢、手術するタイミングのよい時期、そして治癒する時期、治療に専念する時期など
など病気は、その人の人生に影響を与える。また、時間と共に、病気に対する考え方も
変わっていく。若い時に考えていた頃とは異なる考え方をするようになってきて、病気
との付き合いも変化していく。

 クロノテラピーというものがある。これは時間差治療と呼ばれるものだ。がんの場合、
昼間に活発に細胞分裂を行い、夜間は細胞分裂がゆっくりとなるという。しかも、正常な
細胞はその反対で夜間の方が昼間よりも細胞分裂の速度や増殖が増すという。という
ことで夜間から早朝にかけての抗がん剤の点滴治療は、正常細胞に優しいという。しかも、
患者は多少の吐き気があっても眠ってしまえばよいし、昼間は普通に働けるので、生活の
質も高い治療と言える。しかし、この治療が普及しないのは、やはり医師や看護師の人手
の確保が難しいく採算が合わないからだ。患者には優しい治療なのだが、真の患者思い
の医療制度には程遠い厚生労働省は認めそうにないのが残念だ。大体、抗がん剤を投与
する医師の技術料はゼロというのだから驚いてしまう。これでは、医師や病院を素通りして
製薬会社への代わりに代金を回収しているようなものではないか。

 さて、他にも産婦人科の本を読んでいて気になる文があった。それは、産婦人科の
手術は、基本的に年齢で決るという文章だった。若くても体の弱い人、老けている人、
年を取っても若く見える人、健康そのものの人などがいる。そんなことよりも年齢の方が
手術がうまくいくかどうかの大きな要因となっているのだという。不妊治療に携わっている
女医が30過ぎで結婚をして、早く子供が欲しいと思ったが子供がなかなかできない。
ということで、自分自身で不妊治療を試みて二回目か三回目だかの治療で見事に妊娠
して無事女の子を出産したという体験記を斜め読みした。それによると自分は32歳だが、
よく20歳代に間違えられる。若さには自信があったという。

 結婚をして、すぐに妊娠すると思ったがなかなか妊娠しない。そこは不妊治療を専門とす
る医師だけあって、それではと早め不妊治療を始める。そして人工授精をするために自分
の卵を採卵して顕微鏡を覗いてみて愕然とする。卵が思っていた以上に老化していたのだ。
自分が思っている以上に卵の方は年を取っている。30歳を過ぎると卵は老化する、と患者
に言ってはいてもまさか自分がという心境のようだ。不妊治療の世界ほど男女不平等な世
界はないと思う。男性であれば、精子の老化の影響が見られるのは、70歳からだという。
妊娠のしやすさとダウン症などの子供が産まれてくる確率は、70歳未満であれば、父親の
年齢によらず、母親の年齢だけに依存するという。本当に不公平も甚だしい。

 精子を凍結する技術は容易に確立したが、卵を凍結する技術は困難だった。が、最近、
その凍結卵も作れるようになった。これからは、若いうちに卵を凍結させておいて、40歳
を過ぎてから、ゆっくりと妊娠と出産をする時代が来るかも知れない。今は放射線治療を受け
るがん患者などが、その前に採卵して凍結しておく方法が普及し始めているようだ。

 時間は長く、人の命は短い。まして子宮や卵巣が現役の時間は更に短い。
こんなことを思うのも私が50歳に近づいたからだろう。


 
第百三十七章 長生き

 子供を産まない女は、産まない女よりも長生き。又、子供の数が少なく年を取ってから
の方が長生きをする。イギリスの貴族の女性の結婚と出産歴を調査するとそう出たそうだ。
つまり、子供を産まない女性は、子供を産まない女性よりも長生きする可能性が高いという。
鮭は、生まれた川に戻ってきて子孫を残して死んでいく。人間は別に子供が産まれても
死んだりはしない。子供ができたら死ぬと分ったら、自分の死を覚悟してまで子供が欲しいと
思う人は少ないのではないかと思う。鮭でなくて本当に良かった。(笑)

 私は、あまのじゃくだ。鮭にも同じように皆と一緒は嫌だと単独で変な行動を取る輩が
少数ながらいるようだ。その鮭は海に出て故郷の川には戻らず、ずっと海に留まり続け
て一生を海で終える。この場合、川に戻る鮭よりもずっと長生きをするという。子孫を作る
本能を忘れて自由に気楽に生きる方がストレスが少なく危険も少ないということだろう。

 別に長生きしようと思っていわけではないが、子供を産みそうも、いや産めそうもない
私だ。本能的に長生きしたいと思っているのしらん。長生きしたいというよりも、とにかく
世の中のことを沢山いろいろと知りたいという気持ちが強く、そのために生きているような
ものだ。でも、美人薄命は当たらないけれど、いい人は早く亡くなるっていうから、母譲りの
お人よしな私は、30代で死んでしまうなんて10代の頃は思っていました。(爆)母が死んだ
年まで、丁度10年。そろそろ危険な年齢なのかも知れない。

 うちの母方の祖母も言っていたが、ピンピンコロリが最高だなぁと思う。祖母は、願い
通りいかずに、脳卒中後、半年間の長患いの末、死んでいった。母は、父親が79歳で
母親が81歳まで生きたから、80歳はともかく70歳は固い、と言って数年であっけなく
死んでしまった。人間ってうまくいかないものですね。ふぅ〜っ。

第百三十八章 熱意

 医師から腺筋症と診断されて治療を受けることになって感じるのは、医師の熱意のなさ
だ。確かに腺筋症には最終的には子宮を全摘する以外に根本的な完治方法はない。
だが、医師から全摘しか完治する方法はないと告げられても、様々な理由から子宮を残し
たまま、完治はできないまでも生活の質を上げたり、妊娠に挑戦したりする道を選択する
人たちが多い。そうした思いに反して医師の側の態度は冷淡だ。痛みと出血があれば、
鎮痛剤と鉄剤で経過観察をし、強い症状が出て耐え切れなくなったら、あとは子宮を全摘
するしか手はない。それまでは、スプレキュアやナサニール、ニュープリンなどのホルモン剤
や低用量ピルなどで生理を止めたり、軽い生理を起こしたりしながら、閉経または全摘の時
期を待つための一時的なものだと考えているように感じる。

 医師に治せない病気よりも治せない病気の数は同じくらいある。例え完全に治せない、
あるいは現状維持も難しくてじりじりと時の経過と共に進行していく病気は多い。抗生物質
で治る感染症の時代から現代は長い闘病期間を強いられる慢性疾患ばかりが増えてきて
いる。腺筋症も慢性疾患の一つだ。患者の人口は多いが画期的な治療方法がない病気
対しては、診断⇒治療がパターン化されがちである。そして医師は、また同じような腺筋症
の患者がやって来たかという程度でしかないのだろう。医師からは、私と共に腺筋症と闘い
しょう、腺筋症をやっつてしまいましょうという熱意が感じれないのだ。患者は医師から見捨て
らてしまったように感じてしまう。

 問題は、医師が腺筋症という病気そのものについての熱意を持たないと同様に患者に対し
ても興味を抱いていないことだ。医師だって、色々としなければいけないこともあるので、病気
や薬やましてや患者の不安な気持ちにまで配慮することなど出来ない相談だと考えているか
も知れない。だが、腺筋症についての簡単な情報パンフレットを作っておくことや診療の最後に
「何か心配なことはありますか」の一言があり、優しい笑顔と挨拶があれば、どんなにか心強い
ことか。慢性疾患で特効薬がない患者にとって、自分のつらい気持ちを分ってくれる医師が
そこにいることがどれほどほっとできるか計り知れない。

 医師にとって、腺筋症とその患者は、どのような位置を占めているのか是非知りたいものだ。


 
 元のページへ戻る
  
トップページへ戻る