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今夜の番組チェック

第五十五章 排卵

 北海道大学大学院理学研究科の高橋孝行教授らのグループが、メダカを使って世界で初めて
100年来の謎とされていた脊椎動物の排卵が起きる時に働く物質を突き止めたそうだ。同じ脊椎
動物である人間でも同じ現象が起きていると見られ、不妊治療にも結びつくと期待されている。

 精子と結合して生命体に育つ卵は、卵巣の中では、衣のような養育細胞の皮膜に包まれて栄養
供給を受けている。排卵の時期を迎えると、この細胞層と卵巣に穴が開き、そこから卵が出ていく。
この時、「ゼラチナーゼA」など三つの物質である酵素が皮膜を溶かすなど共同で働いていること
を突き止めた。

 この現象は、1916年に発見されて、マウスを使って酵素特定の実験研究がなされてきたが、
これまで酵素は見つかっていなかった。高橋き教授らは、卵巣など基本的な要素は哺乳類と
同じで、構造がより簡素なメダカで、物質の絞込みを行った結果、三種類の酵素が浮かび上がっ
た。

 DNAの働きは、たんぱく質の合成だ。排卵もまた三つの酵素というたんぱく質が、ドミノ倒しの
ように働いているようだ。たんぱく質の働きが、人生を支えていると言えるだろう。排卵の仕組み
は、解明されつつあるようだ。私が、知りたいと思うのは、女の子が生まれて初めて排卵を起こす
仕組みだ。卵巣から女性ホルモンが分泌され始めて、子宮などの女性性器が発達してくる。そして、
ある日、排卵が起きて初潮が訪れる。その最初の排卵を引き起こすメカニズムは一体何なんだろう
かということに興味がある。

 卵巣や子宮や乳房や膣などに、それぞれ脳の下垂体に排卵しても良いという連絡通路が用意
されているのではないだろうか。その伝達物質は、一体何なのか。これは、初潮の反対の閉経
の時期、つまり排卵しなくなる時期と合わせて考えてみると面白い。

 排卵をすることにより、女性ホルモンが分泌されて女性らしさを作る。そして、その女性ホルモン
が、皮肉なことに子宮や卵巣の良性あるいは悪性の腫瘍の発生・増悪に繋がる。卵巣がんは、
排卵時に卵巣表面の傷がつくことで起きるのではないかと言われている。昔の女性は、妊娠や
出産、子育てによる授乳期間が短く、排卵する卵の数も多かった。それに比べると今の女性は
排卵される回数が多い。だから、卵巣がんも増えている。そういう理論が立てられている。でも、
果たしてそれは本当なのだろうか。低用量ピルをはじめとしてピルを飲むと排卵抑制が働き、その
結果、統計学的に見ても卵巣がんは減るという。しかし、自然は、そのような不合理な仕組みの
臓器を作るものだろうか。

 ピルは、排卵抑制をすることによって卵巣がんを防ぎ、子宮内膜を薄く抑えることによって生理
痛や月経量を減らす。また、避妊率も高い。女性の側での避妊ができる。と、医療側の論理でいくと
まるで、いいこと尽くめのようだ。ピルを飲むのを止めるとすぐに排卵は再開をするとされている。
また、昔は、研究不足もあり、血栓症などの重篤な副作用もあったが、今は、低用量で副作用が
少ないものが出てきているので安心だという。それなのに、ホルモン剤イコール危ない、との図式
が、人々の頭の中には、まだ根強く存在している。この状況を変えて、女性が賢くピルを使い、生活
の質の向上を目指そうということのようだ。

 確かに偏見かも知れない。でも、卵巣がんの予防になろうとも、私は、ピルを使いたいとは思わ
ない。痛いし、月経量も多い。そのせいで貧血にも見舞われる。しかし、ピルは使いたくない。でも、
お前もピルは嫌と言いつつ鎮痛剤や鉄剤を飲んでいるじゃないか。そう言われても、やはりホルモ
ン剤には、抵抗がある。スプレキュア服用の半年間で、ホルモン剤の怖さを十分味わったからだ。

 痛みは、嫌だが、薬で強制的に排卵を抑制するのは、気が進まない。勿論、その人それぞれの
選択肢が広がることは大変望ましいと思う。ああ、卵巣や子宮に腺筋症を察知して、病気を治す
ような働きをする物質が分泌される仕組みがあればいいのになぁ。排卵が妊娠・出産に結びつく
だけでなく、女性らしさとその健康にも関与しているのに、50歳前後で、その流れが途絶えること
には、納得が出来ない。男性にも更年期障害があるとは言うものの、男性ホルモンの分泌低下と
同様の流れがあってしかるべきではないかと思う。排卵されないことによる更年期障害が起きる
こと以上に何か大きなメリットがあるのだろうか?

 排卵される卵巣の中の卵の数も減ってきているだろう私は、生理の度に、一体今自分のお腹の
中には、卵がいくつ残っているのかしらと考えたりしてみる。

第五十六章 甘い物

 最近、認知症の本を何冊か購入して読んだ。その中の1冊に、アルツハイマー病の患者が、やたら
と甘い物を欲しがり、何度も食事を要求する、という文章を見つけた。このやたらと甘い物を欲しがる
というところを読んで、30歳の頃の自分を思った。あの頃、腺筋症は進み、子宮のサイズが大きく
なっていくのが分った。お腹に手を当てると硬くなった子宮に触るようになった。尿が近くなった。
それと共に、ますます生理時の痛みはひどくなり、月経量も増した。体のどこからこんなに血が出て
くるのか不思議なくらいに大量に出血をした。

 出血のせいで貧血も進んだ。しかし、その頃は、出血で貧血がひどいことよりも、痛みがひどい
という方に気持ちが向いていた。だから、貧血のことは頭になかった。というよりも、貧血により、
脳に行く血液が不足していて、次元の高い物事は考えられなかった。いつものパターンの思考回
路で動くので手一杯だった。

 その時期の私の脳は、アルツハイマーの患者と同じように、低酸素状態に置かれていた。
やたらとケーキや生クリーム、チョコレートなど甘いお菓子が食べたくて仕方がなかった。実際、
買ってきては食べていた。甘い物を食べても食べても空腹感があった。著者がその原因は分ら
ないと書いていた。私は、脳に行く酸素量不足を甘い物を摂ることによって、ブドウ糖を供給する
ことによって、脳の細胞が死滅するのを防ごうとしているのではないかと思う。

 甘い物が食べたくて食べたくて仕方がなかった時期から、更に貧血が進んで、ストレスも増えて
いくと自然と今度は食欲が低下していった。痛みのある日も増えて、食べたくても食べる気持ちに
なれなくなってきた。自分の体験とアルツハイマー病患者の症状がだぶって見えた。これからは、
認知症や骨粗鬆症などの老年期の病気に気をつけないといけないと思う。

 認知症や骨粗鬆症やがんや糖尿病などの生活習慣病も、症状が出る時は、既に十年、二十年
前からの生活の蓄積がある。若い頃は、無理をしていても何とかなると思っていて、体に負担を
かけていると、それが50歳を過ぎた頃に、病気となって現れてくる。

 腺筋症は、どうなのかなぁ。出産後に内膜症や腺筋症になった人の場合は、生活習慣病の要素
もあるかも知れない。でも、私の場合は、小学生の時からだから、生まれつきじゃないかと思ってい
る。甘い物は、鉄剤を飲むようになって、欲しいと思うことはあまりなくなった。ただ、氷が食べたい
と思う気持ちは、いまだにあり、時々、無性に氷が欲しくなる。数値の上では、貧血でなくても、腺筋
症がある限りは、鉄不足は解消されないからだろう。

第五十七章 アンケート

 小部屋のホームページには、訪問者へのアンケートを設けている。小部屋へのアクセス数は
増えているが、こちらの方へは、あまり書き込みをして下さる方はいないようだ。もし、ここを読んで
いたら、是非、一度、アンケートにご協力下さい。お願いします。

 ここで言うアンケートは、小部屋のアンケートとは異なる。腺筋症患者に関するアンケートだ。
日本は、国としては、がんの患者に対する患者登録制度もない国だ。内膜症とか筋腫は、それぞ
れ自助グループが、独自に患者を募ってアンケートを行っている。腺筋症も、その中に入っている
が、腺筋症患者単独でのアンケートは、まだなされたことはない。

 腺筋症患者のアンケートで、食べ物とか環境とか趣味とか様々な観点から調査してみると意外
な共通要素が見つかるかも知れない。そして、その発病や進行の解明に繋がるヒントも見えて
くるかも知れない。医療機関は、腺筋症患者を把握して、色々な観点から調査をしていけば、医者
と患者の双方にとっても、役立つ資料ができると思う。各地の医療機関を訪れる患者を各医者が
診ているだけでは、研究も進まないと思う。内膜症や筋腫の研究に比べて、腺筋症は研究者も
少なく、研究も不足している。

 腺筋症は、痛みや出血などがひどくないうちは、経過観察をし、出産を希望しない、あるいは、
40歳を過ぎたら、症状がひどいなら、全摘して終わりとアッサリと片付く病気だと考えているの
ではないだろうか。内膜症の患者は、腺筋症の患者に比べて若い人が多く、当然、妊娠や出産
を希望する患者が多い。筋腫も腺筋症に比べると核出手術やUAEなど即、悪性腫瘍の研究の
応用が効く。腺筋症のようないやらしさがなく、素直なのがよい。そこへ行くと腺筋症は、全摘手
術くらいしか、効果が上がる手立てがない。だから、治療する側から見て、面白味に欠けるのか
も知れない。

 しかし、そんな面白味のない腺筋症だが、内膜症や筋腫に劣らず、というよりも、それ以上に
患者は、つらい思いをしている。そして、新しい治療方法を求めている。患者の側からすると医者
ではないのだから、研究機関を持ってどうのこうのは出来ない。でも、患者に対するアンケート
なら可能だ。ただ、どのような項目で、アンケート調査を行うかということを吟味しなければならな
い。 個人ですることは小さなことだが、医療の側がすれば、小さな試みでも大きな成果があると
思う。難病の場合は、病院が中心になって医師や看護師などの医療スタッフと共に患者とのグル
ープを作り、活動していることがある。

 これだけの患者数があり、治らない、慢性的な病気でありながら、腺筋症患者の自助グループ
はない。筋腫に比べると内膜症や腺筋症の患者の方が、自助活動に熱心な人が多い。命に関わ
るような病気や生活の質が著しく低下するような病気の場合は、もっと熱心な人が多い。4年前に
腺筋症のホームページを作った時には、インターネットがどんどん普及し、ADSLだ、光ファイバー
だとHPを作る環境が整ってきて、腺筋症患者が運営するサイトが、どんどん登場してくると思って
いた。しかし、時々、検索エンジンに、「子宮腺筋症」と入力してみるのだが、個人が開設している
腺筋症のサイトは、あまり見つからない。残念なことだ。

 最近は、特別なソフトを買わなくても、ブログを利用すれば、携帯電話を使ってもHPのような
ものが出来る。誰か腺筋症のブログを作ってはみませんか?小部屋以外に数えきれない数の
HPが出来ることを期待しています。

第五十八章 積み重ね

 人生は、長いようで短い。気がついた時は、人は年を取り過ぎている。若くて元気な時は、
無理をしていても、それとは気がつかない。体にも負担をかけている。しかし、若さがそれを
感じさせない。具合が悪い・悪いと思いつつも、何とか物事をこなすことが出来る。特に悪い
ことも起きない。だから、不健康な生活をし続けても大丈夫だと思っている。それが、一つの
病気をきっかけに次々と不健康な状態へと追い込まれていく。

 不健康な状態で、自分は今健康上ひどいところにいると気がつき、昔を振り返ってみると、
自分の過去の生活の積み重ねの一つ一つがその誘因であり、原因でもあると気がつく。万事
がその通りだ。病気にしろ人生にしろ、今の自分の状態とは密接に結びついている。生活習慣
病という奴は、正に生活の積み重ねの結果、ある日突然、症状となって現れる。

 腺筋症自体は、生活習慣病とは異なり、産まれた時に既に運命づけられている病気のよう
に思う。しかし、腺筋症を発症してからは、過多月経、貧血、薬漬けの治療と生活で、段段と
体は、無理を重ねていき、子宮ならずも体全体の状態を損ねてしまう。人間40にして迷わず
と言うけれど、40どころか50歳に近づいても、迷いっぱなしだ。

 私は、どうやら他の人に比べて頭の発育が遅れているようだ。結婚について考え始めたのも、
つい最近のことだ。他の人が、ごく普通に考えて行動していることが漸く分り始めたところだ。
人生85年として考えても、半分以上を過ぎてから、色々と気がつくことが多い。こんなことは、
結婚適齢期になる頃には、理解できていたらと思う。他の人の何倍も時間をかけないと理解
できないタイプなのかも知れない。

 若い頃は、自分が40歳を過ぎて生きているなんて思いもしなかった。しかし、だからと言って
早死にするとも思わなかった。でも、自分が年を取れば、それなりに見える姿と同じように頭の
中身も年を取り、賢くなるものだとばかり思っていた。しかし、年は確実に取ってはいくものの
頭の中は、年を取らない。少しは賢くもなっているけれど、想像していたよりもずっと賢くなって
はいない。そして、その事態に愕然としている。

 腺筋症との付き合いも長くなった。11歳の初経から36年も経過した。中学生の時、この生理
痛は只者ではないと感じて、家庭の医学書を調べた。かなり昔のことだが、その医学書には、
腺筋症が内膜症と共に載っていた。そして、治療方法も載っていた。まだGnRHアナログもダナ
ゾールも開発されていなかったのか、避妊用のピルを飲む。その他は、症状がひどくなった場合
は、子宮を全摘する。卵巣も全摘する。それ以外に完治をする方法はない。と出ていた。どちら
も私の好みではない。ということで、我慢できるまで我慢して、我慢できなくなったら潔く全摘を
しよう!と考えた。

 その我慢の限界は、28年目にやってきた。市販の鎮痛剤が効かなくなり、一日中痛い状態
となった。それなのに、いざという時になっても、潔く全摘ができなかった。40歳にもなれば立派
な大人になっていて、子宮についても適切に対処することができると思っていた。でも、事実は
違い、私は子供のままだった。不思議なもので、医学書の中に腺筋症の文字を目にした時、
それはきっと自分の病気に違いないと確信をした。正式に腺筋症と診断されるには、25年も
かかった。もし、あの当時に、産婦人科に行き、腺筋症と正しく診断されて治療がされていたと
して、今の私は、一体どうなっていただろうか?がんでは、早期発見・早期治療が大事だと言う
けれど、腺筋症はどうだろうか?

 早く発見して、ピルから治療を始めて、その後、ダナゾール、GnRHアナログ、低用量ピル、
時には、腺筋症の核出手術を受けたり、ダナゾール局所療法を受けたり、UAEを受けている
かも知れない。ずっと治療を続けているか。それとも、ある時を契機に全摘を決意しているの
か。

 腺筋症のことを考える時間が嫌が上にも増えている。がんの痛みの管理と同様に、腺筋症
や内膜症の痛みの管理が適切になされる治療があれば、と思う。痛みさえコントロール出来
れば、もっと快適に腺筋症持ちも暮らせると思うのだが。

第五十九章 アクセス増加

 最近、小部屋のアクセス数が増えてきている。他のサイトと異なり、リンク集もなく、こじんまり
と地味に活動をしてきた。婦人病の良性疾患の自助グループが医者と共著で出した本の改訂
にあたって、小部屋のURLを載せてもよいかと聞かれた。はい、と答えたためらしい。本のタイト
ルに腺筋症の文字があるのは、この本くらいのため、腺筋症と診断された人たちが、巻末に
子宮腺筋症の小部屋を知り、アクセスしてくるのだろう。

 腺筋症のサイト自体があまりなく、筋腫や内膜症のサイトの中で、細々と紹介されている
ことが多い。腺筋症がメインで、しかも患者自身が開いているサイトは少ないようだ。腺筋症
は、今でも知名度は低い。しかし、年々、腺筋症と診断されている人たちは増えている。私が
腺筋症だと確信した頃は、MRIはなく、症状だけで判断されていた。しかも、腺筋症は筋腫と
言われることが殆どだったようだ。

 あの富士見産婦人科病院の事件でも、まだ超音波検査が最先端機器の時代だった。私が
今、中学生だったら、腺筋症と診断されていたかも知れない。そして、小部屋のサイトを必死
に探して、見つけて投稿しているかも知れない。(笑)中学の頃、今のように田舎でも都会、いや
世界の情報が手に入る手段を手にしていたらと思うと少し残念だ。でも、逆に病気について
知り過ぎて悲観的な生き方をしていたかも知れないなと思う。

 もっとも、小部屋を一度訪れただけで、もう二度と訪問しないという方も相当数いらっしゃる
ことだろう。腺筋症というタイトルは付いていなくても、筋腫や内膜症がタイトルの中に入って
いて、その実は腺筋症の闘病記だという書物が少なくない。だから、闘病記を片っ端から読ん
で集めていくと腺筋症の情報が入ってくる。医学雑誌もあるし、別に腺筋症のサイトが少ない
からと言って、小部屋のHPばかりに頼らなくても良い人も多いことだろう。

 にしても、一度は、どんなものかと見てみてもタダだし、損はない。(爆)そういうことが、最近
のアクセス数の増加の真相なのだろう。新規の方の書き込みが増えると管理人も忙しくなり
ます。管理人が時々手抜きをしても大丈夫なように、皆さんも書き込みへの返信をお願いいた
します。仲間が増えるのは嬉しいけれど、結構、疲れるんですよ、これが。(笑)

第六十章 お腹

 お腹が出ている。昔は、こうじゃなかった。ウエストがキュッとくびれているのは勿論のこと
お腹はぺったんこだった。それがいつの間にかどんどん出っ張ってくるようになった。20歳の
頃、まだお腹は出ていなかった。けれど、お腹を触るととっても硬くて、息を止めてもお腹は
へこまなくなっていた。脂肪がないのに、お腹がへこまなくなった。そして、20代の終わりに
なるとお腹が出てきた。そして、段段と存在感は増してきた。指で摘もうとしても出来ない。
硬い子宮がお腹にでんと鎮座しているようになった。

 それでも、まだお腹が出ているだけの時は良かった。腺筋症に侵された子宮は硬く大きく
なり、あちこちの臓器を圧迫し、神経にも影響を及ぼし始めてきた。腺筋症は、まるで体内
に潜むエイリアンのようだ。きっとこの大きく硬くなった子宮を取り出せば、この出っ張った
お腹が昔のようにへこむのじゃないかと想像してみる。きっとウエストもキュッとなり、ズボン
のウエストサイズも小さくなって、おしゃれが出来そうだなぁと思ったりもする。

 もっとも、腺筋症で全摘手術をした人がいて、その人は、一瞬、お腹がへそっとなった
けれど、それも半年後には戻通りになった、と話していた。(笑)体重は、1キロ減ったけれ
ど、体型は変わらないらしい。お腹がへそっとなるのは、妄想なのかも知れない。でも、お腹
の上から触ると硬い塊には触れなくなることは確かだ。この硬いという感覚が痛みを強めて
いる気がする。

 テレビなどで、ダンスをして飛び上がってへそ出しルックで踊っているミニスカートの若い子
を見ると「この子達の子宮は、鶏の卵Lサイズで、生理もきっと三日くらいから五日くらいで終
わりなんだよねぇ。私も、子宮に病気がなければ、白い色の服で颯爽と街中を歩いたり、スポ
ーツに励んだり旅行に温泉、グルメツアーでも何でも行くぞ〜」なんて思ったりしてしまう。病気
は、色々とあって、その病気で嫌な症状は沢山あるけれど、子宮の病気って切ないなぁと
思う。

 卵巣が十分に規則正しく働いている女性が出産可能な若い時期に苦しめられる病気って
いうのが気に食わない。若い時は、健康であって欲しい。また、子宮のリズムが月のリズム
ということで、毎月、毎月巡ってくる調子の悪さ。そして、生理によって悪化していく性質の悪さ
には辟易させられる。しかも、ただでさえ煩わしい生理の経血に痛みも加わる面倒臭さ。生き
ているのが、この出血のためにあるのではないかと錯覚するほどだ。

 結婚をして出産をする人たちには、有り難いものだが、出産しない、ましてや結婚と無縁な
人生まっしぐらの私には、生理は苦行の一つに過ぎない。しかし、生理もなければないで
体調が悪くなるのだから、困ったものだ。オリンピック選手、特にマラソンや水泳の女性選手
を見ているとこの人たちの中には、腺筋症の人もいるかも知れないなと考えたりする。但し、
痛みはないかあっても軽いのだろうなと勝手に思う。街を歩いている人を見て、皆、生理痛
なんてないような顔をして歩いているけれど実際は、多くの人が苦しんでいめのだろうなぁと
思う。そして、お腹が気になる。体は痩せているのに、ぽこっとお腹が出ている人を見かける
とあの人も腺筋症かなぁと思ってみたりする。実は、妊娠しているのかも知れないのに。
それとも単なる肥満か?(笑)

 すぺっとした平らなお腹に戻ってみたいものです。皆さんのお腹は、どうですか?

第六十一章 カルシウム

 カルシウムと聞くと皆さんは何を連想されるだろうか。歯や骨、あるいはキレル子供たちは
体内のカルシウムの不足だろうか。カルシウムは、その99%が骨の中に存在する。そして、
残りの1%が血中や細胞に存在して、体内の働きを調整している。人間には、コンピューター
と同じように電気が流れている。とても微弱なものだが、心電図や筋電図、脳波など計測が
できる。電気は電子の流れだが、体内のそれはイオンの流れによって発生している。

 カルシウムの異常は、現代医学が解明していない神経や筋肉の疾患の原因となっている
場合が多い。年を取り、閉経後の女性で問題となる骨粗鬆症も単なる老化ではなく、カルシウ
ムの代謝異常、つまり骨を作る骨芽細胞と骨を壊す破骨細胞とのバランスが崩れ、破骨細胞
の働きが優勢となってしまう病態だ。また、血中のカルシウム濃度は、正常域とされる範囲が
狭い。そして、濃度が高まったり低くなると忽ち死に結びつく。そのため、カルシウム摂取の不
足が続くと体は骨を形成するカルシウム分を削って血中に流してしまう。

 そして、カルシウム不足が続くと骨粗鬆症になるだけではなく、腹部大動脈などの動脈硬化
を起こす。カルシウムは、生命体が海で誕生したことを考えると活用できる大切な元素だった
のだろう。

 腺筋症とカルシウムとの関係に目を移すと筋肉を収縮させるという働きがある。牛乳は骨量を
増やすためには積極的に摂りたい飲み物だ。しかし、僅かながらでも腺筋症の痛みがある場合
に牛乳などの乳製品を摂ると必ずと言っていいほどに子宮が痛み出す。これは、乳製品に含ま
れているカルシウムが子宮の筋肉の収縮を強めるせいではないだろうか。私は、腺筋症の進行
と共にグラタンなどを食べる機会が減った。たまねぎは次に痛みが出る食べ物だ。

 カルシウムは、がん細胞の動きにも関係しているらしい。カルシウム異常は万病の元とも言える
かも知れない。女47歳、更年期真っ盛りの私にとって、閉経後の骨量の急激な減少防止は大事
な課題だ。今までは、ひとすら腺筋症との闘い一筋で、子宮を中心に物事を考えていた。しかし、
これからは、人生の後半期に入り、老後の生活を視野に入れて健康作りを進めていかないといけ
ないと思っている。それには、骨粗鬆症での大腿部骨頭の骨折などを起こさないように今から注意
していかないといけない。若い頃のダイエットも骨粗鬆症の危険因子だと言われている。幸いにも
ダイエットらしき体験はないので、これから閉経に向けて少しでもカルシウムを骨に溜めていきた
いと考えている。それには、カルシウム摂取と運動に心がけることが大切だ。

 寝たきりにならないために、そして動脈硬化予防とキレナイ心の安定のためにも、子宮の痛み
とよく相談をして、少しずつ骨へのカルシウム貯金を増やしていきたい。骨という臓器は体内の
根幹を支えつつ、実に地味な存在だ。文字通り、屋台骨を支えている。宇宙飛行士は、宇宙空間
にあって、毎日ある一定時間の負荷運動を強いられているものの骨量低下があり、その低下は
長期間続くと言う。人間は、産まれた時から重力を感じて生きている。宇宙空間では、その重力が
働かない。重力によって人間には常に負荷が働いている。負荷が働くと骨には、マイナスの電圧
が発生して、プラスイオンであるカルシウムの沈着を促すらしい。逆に、負荷が働かなくなるとプラス
の電圧が骨に働き、カルシウムイオンが流れ出すという。

 人は、地球という環境の中で生まれ、そしてそれに適合して生きているのだなぁと思う。腺筋症は
一体何に適合しそこねて起こっているのだろう。腺筋症の病巣部分が他の子宮筋層よりも収縮が
強いのもカルシウムの働きの異常なのではないだろうか。病巣が出血をし止血する時には血小板
が働く。その際、血小板はカルシウムを引き寄せる働きがはるようだ。子宮筋層はそのために硬く
なり、ますます収縮がしずらくなるのではないだろうか。

 カルシウムの働きを研究していけば、もしかすると内膜症や腺筋症の病気の進行を防げるよう
になるかも知れない。

第六十二章 老化

 人は年を取る。だから、今は子供であっても、いつかは大人になり、そして老人になって、やがて
は死んでいく。老化とは、鉄と同様に体内での酸化が進むことだ。老化は、誰にも起きる普遍性を
持っている。そして、外因ではなく内因で起こる。そして、少しずつ進行をする漸進性である。

 人の成長は、差が見られると言っても、その個人差は小さい。ところが老化となると様子が異なっ
てくる。20歳で成長を完了したと考えるとそれ以後の老化の具合は、個人差が大きい。体の酸化
を進めるような生活の多少により、年々老化に差が出てくるようだ。老化は加齢による自然現象
である部分と生活習慣との複合である。だから老化は、若い頃から考えていかなければいけない。
しかし、若い頃は、自分が年を取る。おばさんになっていくのは、ぼんやりと思いはするが、おばあ
さんになってからの自分を想像しにくい。老化は、ある日突然、浦島太郎の如く急激に起きるわけ
ではない。少しずつ気が付かないうちに年を取っていくものだ。

 50歳は、初老と呼ばれている。寿命は延びているが、閉経の時期はギリシャ時代から殆ど変化
がない。1歳とか2歳くらいしか延びていない。初潮の時期が環境の差により、年々早くなっている
のとは対照的だ。卵巣は、他の臓器に比べてしっかりとした老化プログラムを持っているようだ。
腺筋症は女性ホルモンと関係が深い。卵巣の機能が元気であれば、病気は進む。内膜症や腺筋
症の研究資料は知らないが、筋腫を持っていると閉経の時期は有意に延びるという結果が出てい
る。一般の子宮に病気を持っていない女性が、45歳から3ヶ月以上の無月経があるのに比べて
筋腫の女性は、49歳までは、それがなかった。閉経の時期も平均3歳から5歳ほど遅れるらしい。

 腺筋症は、筋腫持ちや健康な子宮を持った人たちと比べて卵巣機能の低下はどうなっている
のか興味がある。また、何故、閉経時期の延長と関係があるのかについても、興味がある。血中
の女性ホルモンの数値には、内膜症も腺筋症も子宮の病気を持っていない人たちにも差はない
という。しかし、子宮内膜については、腺筋症、内膜症、正常な人の順番で、女性ホルモンである
エストロゲンの数値が高いそうだ。これは、正常子宮内膜においての数値だ。そういう意味で、一
見すると腺筋症や内膜症の人の子宮内膜と健康な人との子宮内膜は同じように、生理の時に
反応し、増殖と剥離を繰り返している。だが、異所性子宮内膜組織と言われる内膜症や腺筋症の
病巣と同様に、既に異常な反応を持つ組織に変わっているのだ。

 そう考えてみるとその異常な反応は卵巣をも巻き込んでいるのかも知れない。卵巣もまた子宮
内膜同様に、内膜症や腺筋症の病気が生き易いようにとその働きを強めているのかも知れない。
内膜症や腺筋症は、そうでない人に比べて、生理の周期が短く、生理不順が少ないという。それが
病気の危険因子になると言われている。だが、もしかすると先に病気により卵巣の機能が活性化
されて引き起こされているのかも知れない。子宮内膜もまた同様に、病気が増殖するために有利
になるように変えられているのではないだろうか。

 卵巣機能が活性化されている分、腺筋症や内膜症に苦しむ代わりに、卵巣機能低下により
起きる女性ホルモンの減少を伴う更年期障害は軽くて済んでいるということはないのだろうか。
その手の研究がなされているという資料を見たことはないが、腺筋症患者の一人として興味が
ある。腺筋症があることによって痛みや過多月経、貧血、不妊など沢山の不快な出来事が起きる。
その一方で、何か少しでも腺筋症だからこそ得られる利点はないものかといつも思う。もし、更年
期障害の発生が少ない。例え起きても症状が軽い。更年期以後の病気が少ない。そういった
良いことがあるのではないか。そういう利点があると腺筋症患者も救われる気がする。現実には
一体どうなるかなぁ。

 老化は、体だけでなく、精神的なものの影響も大きい。体の老化は努力しても限度があるが
心の老化は、努力次第でかなりの部分を防ぐことができそうだ。心の前向きな姿勢とその安定は、
生活にも反映されて体の健康にも大いに影響を及ぼすと思う。地震や事件などで体に致命的な
障害がある時はともかく、それほどの傷が受けているわけでもないのに、日にちが経つにつれて
体調を崩してしまうことが多い。心が体に及ぼす影響が無視できないくらいに大きいものだという
証拠だ。老化の要因の一つにこのストレスが挙げられている。物理的な体のストレスと同様に、
心の在りようが老化や病気の個人差にも繋がるということだ。

 腺筋症持ちで、体は老化してはいるけれど心はいつも若く柔軟性を持ちつつ、年を重ねて得た
知識と体験を活かしていきたいと考えている。閉経してしまえば腺筋症も問題とならなくなる場合
が多い。閉経は長い腺筋症の闘病生活との終止符を打ってくれる。だが、今度は老化が迫って
きた。嬉しいような悲しいような・・・・女心は複雑です。老化せずに卵巣も元気で腺筋症が良くな
る、なんてことはないのかしらん。

第六十三章 疲れ

 私の中で、腺筋症が幅を利かせてきたのは、中学生の頃だった。それでもまだその存在は生理
以外の時は無視しようとすれば無視できるものだった。既にその頃には市販薬の鎮痛剤なしでは
生活はできないくらいに痛みは厳しかった。初潮時に、既に吐き気を伴う引っ張られるような痛み
があった。だから、私には、昔は生理痛はなかった。あるいは軽かった体験はない。生理はいつも
痛いものだった。それでも中学の頃までは生理も5日くらいで終わり、痛みも二日目かせいぜい三日
目も痛いくらいだった。だから、生理以外の日は生理のことは忘れることができた。

 だが、高校生になると痛みの日は増えた。生理の間、最低でも二日間は痛み、時には、三日間
も痛みが続いた。そして、経血の量が増えて次第に夜間用の生理ナプキンを使う日が増えていっ
た。私の生理の歴史と女性用ナブキンの技術革新、特に経血の吸収とナプキンの大きさ、横漏れ
防止などの研究と商品開発は切り離せない。この生理用ナプキンの進歩がなければ、私はとっく
に子宮を全摘していたことだろう。生理用ナプキンの更なる開発が多くの女性を救い続けること
だろう。

 それでも、高校生の頃は若さがあり、無理しつつも頑張れたと思う。痛みは年々ひどくなっていっ
たし、過多月経にも悩まされた。でも、あまり疲れることもなかった。いつの頃だろうか。疲れるよう
になった。過多月経と痛みが進む中、生理の時以外は腺筋症を無視するということも難しくなって
きた。そして、長年の貧血も進んでいた。そのせいで、頭重・頭痛などとだるさ、寝ても取れない疲
れが出るようになった。それを年のせいにして相変わらず病気のことは無視続ける、いや無視した
い生活が続いた。

 結局、39歳の時に、劇薬入りの4時間間隔を置かないといけないという市販の鎮痛剤も殆ど
効かなくなって一日中痛みが続くようになった。その頃は、疲れている状態が普通の状態だった。
疲れていない健康だった頃の状態を思い出せないくらいに不健康になっていた。それにしても、
鎮痛剤が効かない継続的な痛みは、体力を消耗する。痛みで死ぬことはないと医者は言うが、
痛みで眠れずに、痛みに耐えることによって力を入れて、心臓が弱り、それが元で死んでしまう
場合もあるかも知れないと思う。私の場合は、腺筋症ですくすく?育った子宮が前に迫り出し、
神経を圧迫し続けるようになったのではないか。そのために、一日中痛みが続くようになった
のではないか。お腹の側を下にすると痛みは和らいだ。硬く重くなった子宮は、その存在感を
示し、痛みを発した。

 副作用がいっぱいの女性ホルモン分泌低下は、この太りまくった腺筋症に支配された子宮を
元の可愛い時代の子宮に近く状態までに小さくさせた。しかし、服用期間が6ヶ月分の老化以上
の老化をもたらした割には、中止後短時間に、あっけなく腺筋症は再燃した。貧血治療にしっかり
と取り組んだ結果と痛み煩わされないこともあり、すぐには疲れなくなった。自主的に行動しようと
いう気力も回復をした。

 若い頃は、この痛みさえなくなれば、疲れもない元気な体になれると確信していた。しかし、40歳
を過ぎてくると痛みが取れても若い頃考えていたような疲れない体は取り戻せそうにない。鎮痛剤
を飲み続ける毎日と出血や貧血に煩わされる生活と腺筋症を中心に考える生活に、段段と疲れて
きた。考えてみると35年もの間、後生大事に腺筋症の硬くなった子宮をその華々しい使い方に利用
されることなく太らせてきた。(笑)気持ちでは閉経までは何とか生活していきたいと思っている。
しかし、体の方はかなり無理したつけが回ってきているようだ。心も疲れ気味だ。

 全摘しても、それで全てが終わりではないと分っているが、全摘すれば痛みと出血から解放され
るのは間違いがない。医者や他の人が言う生活の質の向上という言葉が頭に浮かんでくる。取れ
ば楽だろうなぁと思う。でも、手術は嫌だ。怖いというよりも嫌なのだ。今、子宮が突然消えてしまっ
たとしても構わない。でも、切らずに子宮を無くせるのなら健康な子宮に変えて欲しい気がするが。
一度くらいは、腺筋症などの病気がない子宮での生理とはどのようなものなのかを閉経までに体験
してみたいと思う。こうして考えてみると辛いのは痛みで、煩わしいのは過多月経で、体力を低下さ
せるのは貧血のようだ。外出のことを考えると過多月経は実に煩わしい困ったことだ。

 筋腫も過多月経で困る人は多いけれど痛みの方はそれほどでもない人が多い。その一方で、
痛みは激しいが過多月経はあってもそんなにひどくない人が内膜症では多い。腺筋症は、筋腫
と内膜症の悪いところを取って合わせたもののようだ。それなのに、腺筋症は症状が軽いうちは
対症療法で、あとは全摘するしかない単純な面白味のない病気と考えられているようだ。筋腫の
ように核出手術やUAEの成果もないし、内膜症のような腹腔鏡下手術による不妊治療の成果
も期待が出来ない。経産婦に多い(本当はどうだかは分らないが)から、全摘することにも抵抗
がない。事実はともかく医者たちの間で、腺筋症には全摘が一番で、全摘は40歳前後でと考え
られている。これでは、腺筋症の治療や研究は期待できそうにない。

 子宮の病気は、女性だけの病気だ。産婦人科医は、不妊治療や妊娠・出産の成績を上げること
だけに関心がいき、腺筋症や内膜症で苦しみ悩み、全摘を選択する場合によく持ち出される生活
の質の向上にはあまり目が向けられていないように感じる。子供を作るためには、多少の生活の
質の低下には目をつぶるのは当然だとされているように思う。患者は、腺筋症の痛みと闘うことに
よって疲れるだけでなく、こうした医者たちとの考え方との差でまた疲れてしまう。

 痛みがない生活がどんどん遠のいている。痛みがなくなれば、どれくらい疲れにくくなるものだ
ろうか。いずれにしろ、卵巣もかなり疲れてきたようだ。(笑)私と腺筋症との二人三脚生活も
あと僅かだということは間違いないようだ。

第六十四章 鉄剤の飲み方

 パソコンの再インストール後に、二年振りの過多月経に見舞われ大貧血を起こした。二年前も
夏の暑い盛りだった。この季節は、過多月経を起こしやすいのだろうか。前回と今回で感じたこと
は、貧血と鉄剤の飲み方には工夫が必要だということだ。鉄剤をせっせとまめに飲み続ければ
確かに貧血の改善は進む。しかし、大貧血の場合は、ただの貧血の場合と異なり、もっと鉄剤の
飲み方に工夫を凝らさないといけない。大貧血になると胃腸への血流も当然減少している。そこへ
食事をすると胃腸に血流が行き、その分、全身特に下半身に行き回る血液が減ってしまう。その
せいで、胃腸は動かずガスが溜まり排泄されず、とても苦しい。しかも、あちこちに痛みが出てくる。
この痛みが結構きつい。しかも、吐き気もあり吐いてもしまう。

 腺筋症の主な症状は、痛みと過多月経だと言われている。私が手にした実用書と呼ばれている
一般書には、痛みよりも過多月経を訴える人の割合が高いとあった。そして、痛みよりも過多月経
にほとほと参っている人が多いとも書かれていた。果たして本当だろうか?確かにデカイ生理ナプ
キンを長時間当て続ける過多月経は、とても煩わしい。でも、つらいと思うのは、痛みの方だ。過多
月経について言えば、つらいのは、過多月経に伴う貧血、大貧血の時だろう。普段から貧血に慣れ
てはいても、ドバドバ景気良く出てくる凝血ゴロゴロに二日くらい遅れてやってくる大貧血には参る。

 心臓がパクパク、動悸がする。少し動くと脂汗が出る。そのうち手足の先のまでしびれてくる。
これに暑さが加わるとお花畑が見えてくる。深海にいるかのような気分となり、照明も落ちてくる。
鉄剤を飲み始めても二・三日はこんな調子が続く。そして、少しずつではあるが体調も上向いて
くる。しかし、その後が大変だ。それまでは少量は食べられる。しかし、今度は胃腸の調子が極めて
悪いのだ。まず食べてもあまり消化されてはいない。消化されているものも腸には送られない。
そのうちに胃腸が鈍く痛み出す。次には強く痛み出す。ガスが溜まり、吐く。子宮にも痛みが出て
くる。痛みと吐き気の絶不調の嵐だ。

 痛みには慣れているとは言え、大貧血は息をする度に苦しく、これは早く脱出しなければと思う。
そんなわけで、鉄剤をいつものようにきちんと飲んでしまう。しかし、これが曲者なのだ。大貧血に
すっかり弱まって機能も低下している胃腸にとっては、鉄剤を消化・吸収するだけで大変な仕事
になっているのだ。だから、辛抱強くちびちびと少しずつ胃腸をだましつつ飲まないといけないのだ。
貧血がひどくなる程度の普段の生理の場合は、これができるが、大貧血の場合はその余裕が持て
なくて失敗をしてしまう。

 貧血を繰り返している人は、鉄を体に吸収する効率も良い。だから、たまにしか貧血にしかならない
人と飲み方も変えて臨機応変に対処しないといけない。しかし、その見極めがとても難しい。それに
しても、ピクノジェノールは痛みには効果的だが、過多月経がひどくなるのは困ったものだ。必ずしも
そうではないらしいのだが、私の場合はそうなってしまうようだ。過多月経を外科的ではなく内科的
に治すか緩和する治療法が出てくれるととても助かるだが、私はそんな話しを聞いたことがない。
もっとも、そんな話しがあれば、こんなに過多月経に苦しむ人たちもいないだろうが・・・・。私が、腺筋
症でつらいのは、まず第一にいつでもどこでも痛みがあるということだ。その次に、この大貧血による
一連の吐き気と痛みのオンパレード、そしてその次に来るのが過多月経による様様な煩わしさだ。
とにかく痛みと吐き気はつらい。

第六十五章 くだらない?

 子宮動脈塞栓術UAEを受けようと主治医に相談した女性への医師の返事がこれだ。くだらない。
この女性には、子供が二人おり、年齢も40歳を超えていた。30歳頃から、子宮筋腫があると言われ
ており、経過観察を続けていた。しかし、40歳を超えてから、筋腫がぐんぐん大きくなってきたという。
主治医は、子宮の全摘を勧めた。彼女は全摘したくないとインターネットでUAEを探し当て、主治医
である産婦人科医に意見を求めたのだ。その結果が、くだらない。

 子供がいて、40歳も超えていて何のために子宮が必要なのか?ということのようだ。妊娠・出産
を控えている女性にある子宮には興味と関心がある産婦人科だが、その可能性が低くなると途端に
その子宮には冷淡になるようだ。あとは存在感のない臓器になるのだろう。その存在感がなくなった
子宮が筋腫や内膜症や腺筋症で宿主にダメージを与え始めると、子宮は当然摘出するものだと
思うようだ。子孫繁栄に関係しないから命には関わりがないからということからだろう。

 私のような場合は、生活の質の向上から考えても相対的な手術の適応は大きいと思う。だが、単に
子宮のサイズが大きいからというだけで、筋腫があるし40歳を超えたからというだけの理由で手術
を勧められて全摘してしまう人もいる。UAEは、実際に施術するのは放射線科医であり、そのフォロー
をするのが産婦人科医という立場になり、産婦人科医にはUAEにあまり積極的ではない。地元の
自助グループの会員の人の中にも、産婦人科医から、そんなもの扱いされた人もいる。真っ当な
医師ならば、UAEは勧めないと言った医師もいるらしい。

 切れば治る病気だからラッキーと言えば、そうとも言えるだろう。ガンのように切ってもそれだけで
安心だと言えない病気もある。子宮は取っても直接命に関わりがない。それも真実だろう。でも、
筋腫や虫垂炎の簡単(私は必ずしもそうとは思わないが)な手術で死んだり、ひどい後遺症を
起こしている人たちもいる。手術を毎日のように行っている医師にとっては手術は日常生活の
一部となっているが、患者にとっては人生にとって一度あるかないかの重大事なのだ。その手術
を受ける決心をして受けるにはかなりの覚悟をしている。だから、40歳を超えて今後出産をする
予定はないとしても体にメスを入れるには、それなりの決心が必要だ。

 例え襲侵する治療を選択しなければならない立場になったとしても、より襲侵度の低いものを
選択したいと思うのは人情だ。私のように痛くても苦しくても子宮を守りたいというよりも体にメス
を入れたくないと思う人もいるだろう。スプレキュアという内科的治療でさえも相当ひどい目に
遭っていると体のホメオスターシスを崩す薬や施術に慎重にならざる得ない。

 それにしても、子宮を残したいという患者の言葉に意見を求められて、くだらないとしか返答
できない、この場合は男性医師だが、医師の人間性を疑う。どうして、なるほど。子宮を残したい
と思っていらっしゃるのですね。UAEであなたの子宮が残せるかどうか調べてみましょう。という
くらいの話しはできないのか。医師に親切な対応を期待するのは無理だとしても、近所のおじ
さん、おばさんが私が手術が必要と言われた、悩んでいると言った時の対応くらいは期待したい
と思う。筋腫や腺筋症や内膜症の患者は沢山いて、全摘なんてそう珍しくもない。お前だけが
特別な患者だないぞという態度で接してくる産婦人科医が多過ぎる。患者様と持ち上げては
いても、病院や医師の意識の中の患者は、こんな程度だ。医師には、哲学や倫理観が普通の
人以上に求められている。今の日本人には、医師に関わらず哲学や倫理学が必要だと思う。

第六十六章 小説

 小説の中に、筋腫や内膜症の患者は出てきても腺筋症の患者は出て来ない。そんな気が
する。小説家には、腺筋症の知識が欠けているからだろう。また、筋腫や内膜症や腺筋症が
主題の小説はあまりない。たまに、ドキュメントで取り上げられる程度だ。人気ドラマの中の
ヒロインが突然、腺筋症と診断されて苦悩をするドラマを今話題の人気女優が演じれば、
腺筋症という病気の知名度も上がるだろう。

 平松愛理さんが激痛!という本を出し、内膜症のつらさとその苦悩を世に広めた。しかし、
その激痛の原因は、子宮を取り出して見て分かった腺筋症のせいだった、と書いてある。
でも、平松愛理イコール子宮内膜症であり、激痛も子宮内膜症として取り扱われてしまって
いる。腺筋症という病名は抜け落ちてしまっている。本の中には、腺筋症が取り上げられて
いるというのに、マスコミには全く腺筋症について取り上げられていないのは残念だ。

 昔は、綺麗で若いヒロインは、急性の白血病でよく死んだものだ。しかし、今は時代が
スピードアップしてきたせいかドラマの主役や準主役は、心筋梗塞や事故で命を落とす
ことが増えているようだ。がんは、その病名の響きと最終的には死をもたらすということ
から、がんは早期発見すれば早期治療で治るという宣伝に逆らって、世間の同情を呼ぶ。
だが、筋腫や内膜症や腺筋症は女性にしかならない病気だ。しかも、子宮や卵巣を取って
も、死には直結はしない。そのせいか子宮を取れば解決できると軽く考えらている気がする。

 腺筋症と聞いても、イメージが湧く人は少ないだろう。筋腫は子宮にこぶができて、
子供ができにくい。内膜症はとにかく痛いし、進行して不妊になる。そんなイメージがある。
しかし、腺筋症は、患者の数は多いというのに、せんきんしょう?ってどんな字を書くのか。
それは一体どんな病気なのか。まぁ、がんじゃないからたいして病気じゃないだろう。子宮
を取ればそれで解決できる病気だろう。腺筋症も筋腫も内膜症も症状には、痛みと過多
月経とあるが、その内容にはかなりの差がある。そんなこともあまり知られてはいないの
ではないだろうか。

 小説 子宮腺筋症の女たち みたいな小説が出ても、まぁ読む人っていうのは数が限られて
はいると思うが、そんな小説が一冊でもあればなぁと思う。そうすれば、腺筋症という病気
はどんなものなのかをよく知ってもらえることだろう。小説だけでなく、筋腫や内膜症と同様
に一般書店でも1500円くらい出せば、筋腫や内膜症の本の中に紛れるように記載されて
いるものではなく、腺筋症それだけで一冊になっている本が何冊もすぐ見つかる環境が
できることを期待している。そうすれば、腺筋症と診断された人たちにとって、どれだけ心強い
か分からない。

 腺筋症が、筋腫や内膜症と同じくらい知名度が高まって欲しいと切望している。

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