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第六十七章 余力 

 年齢のせいか、それとも腺筋症が進んできたせいか。はたまたそのリ両方なのか。最近は、
生理後の体力回復に時間がかかるようになってきた。それと共に、余力がなくなってきている。
若い頃は、ひどい状態に陥っても何日かすれば、大丈夫だ。貧血がひどくても、貧血が治れば
ハーフマラソンくらいは走れるという自信もあった。でも、最近は貧血が治っても、マラソンは無理
だろうなぁと思うようになってきた。

 腺筋症や内膜症は良性疾患とは言われているが、その振る舞いは悪性疾患そのものだ。
だから、がんと同様、年齢が進むにつれて腺筋症の病巣は少しずつ増えていく。そして、その
影響が段段出てくる。病気は、ある一定の範囲を超えるまでは何とか融通も利くが、その閾値
を一度超えてしまうと加速度的に悪化するようだ。復元力があるうちは良いが、その余力がなく
なってしまった時は、がたがたと崩れていってしまう。

 今年78歳になった母の姉が閉経して更年期障害や五十肩に悩んでいると話していたことが
ある。その時の伯母の年齢は、確か私と同じ47歳か48歳の頃だったように記憶している。伯母
は、たばこを吸っていたので普通の人よりは閉経の時期が早かったかも知れない。伯母は、子宮
の病気もなく、閉経までは健康だった。更年期を過ぎた頃から体力の衰えを自覚するようになった
ようだ。私の姉は、今年49歳だが、毎月きちんきちんと28日周期で生理がある。姉の友人は、二
ヶ月に一度とか半年に一度くらいしか生理が来ないという人がいると話しをしていた。姉は、内膜症
で、片方の卵巣を摘出しているが、片方の卵巣でも生理周期の乱れはないようだ。

 更年期と呼ばれる年に突入して、更年期障害も出ているのかも知れない。でも、腺筋症の次から
次へと出て来る症状に対処しているうちに、そんなことも気が付かないでいるのかも知れない。体
があまり動けなくなったその分、頭の中で考える時間が増えた。体は痛みがあってなかなか行動
に移すことは難しくなってきているが、頭の中では、実に良く動き回っている。

 姉の娘は、ダンスなど体を動かすことが大好きだが、頭を動かすことは苦手だ。計算など難しい
ことや本を読むようなことをすると頭が痛くなってくるらしい。(笑)人それぞれだなぁと思う。私も
姪のように体が丈夫であれば、頭を使ってどうこうすることよりも体を使って色々とすることが好き
だったかも知れない。体力的に余力がなくなってくると心の余力も失われていく。だから、何とか
して腺筋症の痛みや出血や貧血を最小にとどめようと努力している。でも、これが思うようには
うまくいかない。

 痛みのある日が少しでもなくなってくれると私の余力も増えてくれると思う。貧血もつらいけれど
痛みって他人に見えず同情もされにくいけれど体力を消耗する度合いが高い。でも、痛みから
解放されたら、その分、激太りしそうでちょっと怖い。(爆)

第六十八章 関心がない? 

 内膜症と筋腫は、マスコミに度々取り上げられる機会がある。婦人病と言えば、昔から子宮筋腫
が婦人病の代名詞ともなっていた。内膜症については、環境ホルモン、内分泌攪乱物資、そして
不妊との関係で、痛くて不妊になることが多い婦人病として最近は名も知られてきている。それに
比べて腺筋症の方は、さっぱりだ。

 講演会に出席して大学院の産婦人科の教授が、内膜症の診断と治療について述べている
最中に、腺筋症についても少し触れていた。その話しぶりからすると教授は、腺筋症について
は、てんで関心も興味もなさそうだった。それどころか自分の研究分野である内膜症について
喋っている時も、内膜症そのものには関心はあるが、その内膜症を患っている患者にはあまり
興味はなさそうだった。お腹の中が、内膜症の病巣でぐちゃぐちゃで汚くてなっているとか癒着
ばかりでひどくて手がつけられない状態だとか汚いものを掃除してやっているんだと言わんばか
りの態度に私には見えた。

 患者さんは、こんなに癒着があって、病巣が沢山あって、さぞ痛いだろうなぁという患者の側
からの視点しか感じられなかった。腺筋症を語る時、最初は内膜症とは別の病気だと言って、
あとからいやこれも内膜症の親戚みたいなものですね。でも、内膜症と違ってどうしようもない
病気だし、考えても仕方がないでしょう。そんな言い方だった。最後に私が「腺筋症患者は稀
ですか?」と試しに聞いてみた。(大学院の教授は腺筋症についてどの程度研究しているのか
という興味があった。しかし、講演会の中での教授の話しからさほど期待は出来ないと思った。)
そして、教授の答えは、「腺筋症は稀な疾患だ」というものだった。教授は何も知っちゃいない。
いや、腺筋症については知ろうともしていないことが分かった。

 腺筋症は、対処療法か全摘かくらいしか治療方法がなく、医師は面白みがないために研究
をあまりする人たちがいないのではないですか?と聞いてみたが、教授はそんなことはない
と否定した。そして、「腺筋症の患者さんで妊娠を望んでいる人たちには核出手術をしてあげて
います。」と説明をした。でも、逆に言うと腺筋症患者であっても妊娠を望めない人には何もしな
い。出来ないと告白したようなものだ。しかも、してあげている、という表現の中に、腺筋症の治療
をやってやるだけでも有難いと思え、みたいな高慢さを感じた。

 世の中では、筋腫や内膜症に関しての講演会や番組は時々はあるが、腺筋症を中心とした
講演会や番組を作ってみようとする医療関係者は殆どいないようだ。腺筋症は、患者の苦痛
に反比例して、治療方法や薬の治療の成果が出にくいために、研究者の関心の対象とはなり
にくいのではないだろうか。そして、結局、命に関わらないので最終的には全摘してしまえば
済むと考えているのではないだろうか。がんであっても、何とかして子宮を残そうとする治療方法
が進んでいるのに、腺筋症は安易に我慢が出来なくなったら子宮を取れば終わりと扱われて
いるには、納得がいかない。

第六十九章 皆同じか

 婦人病は、筋腫も内膜症も腺筋症も一緒だ。良性疾患ではあるが女性の人生に大きな障害と
なる。しかも、筋腫に内膜症が併発したり、腺筋症の場合も筋腫が併発していたりする。だから、
この三つの病気は切り離して考えるべきではない。だから、皆、同じ婦人病を抱えて苦しんでいる
者同士、仲良くお互いに助け合っていきましょう。自助グループでは、そういう風に主張している人
たちが多いようだ。

 でも、実際問題としては、どうだろうか。筋腫の人たちが集まると筋腫のみの症状で花が咲く
だろう。内膜症の人たちでは、内膜症の人しか分からない話しも出てくるだろう。現実問題として
筋腫の人たちに腺筋症の激しい痛みを話してもぴんと来ないようだ。筋腫の人たちは、概して
痛みは少なく、過多月経がある人はいても数はそれほど多くない。筋腫が段段大きくなってきた。
このままでは妊娠しづらいと思うので核出手術をとりあえずしておこう。あるいは、何とか閉経まで
持っていきたいという人が多い。腺筋症や内膜症の人たちに比べてのんびりしている印象を受ける。

 内膜症や腺筋症は、のんびりしていたくてもその激しい痛みがそうさせてくれない。自助グループ
の活動も、あまり症状が出ていない活動力がある筋腫の人たちが中心に進めてくれると助かる
のだが、実際には、そうではない。痛みがある、活動するのが大変な内膜症や腺筋症の人たち
が、自助グループを必要としているため、自助活動に積極的になる。

 私も奬膜下筋腫の人と同じように筋腫そのものは大きくなっても過多月経や貧血もなく、痛み
もない。ただ、お腹が出てきただけという状態ならば、これほど自助グループには積極的に関わっ
ていることもないだろう。会う度に感じるのだが最初に筋腫と告げられてパニックになった時以外は
、全般的に筋腫の人たちには、そこはかとなく、特有ののんびりムードが漂っている。私もそのムー
ドに乗ってみたいなぁと思うが、無理だろう。私がのんびりムードに浸れるようになるのは、全摘
して子宮に関するトラブルから解放されるか、閉経してしまった後でだろう。腺筋症は、体だけでなく
心の余裕も奪っているのだと思う。

 自助グループは、ある程度の人数がいなければ成り立たない。筋腫だけではなく、内膜症や
腺筋症の人たちも参加することは良いことだと思う。でも、やはり腺筋症同士でしか分からない
こともある。筋腫や内膜症の人たちに話しても親身になって聞いてもらえないことも多い。腺筋症
は、その病気の性質から、筋腫についても内膜症に関しても知識を持っている人が多い。その
一方で、筋腫の人は、腺筋症や内膜症について関心を持っていない人たちが多い。内膜症の人
でも、腺筋症についてはあまり関心がなかったりする。婦人病の良性疾患に関して、その情報と
苦しみを良く知っている腺筋症患者だと思う。でも、筋腫の人たちの数が多いために、腺筋症患者
の声はあまり届かない。

これは日本だけではなく、アメリカやイギリスなどの世界でも同様なようだ。アメリカには、内膜症
協会や筋腫の自助グループはあっても腺筋症の自助グループはない。医療経済から言っても
腺筋症は、子供を産むまでは何とか痛みと出血に頑張る。そして、子供を産むか産む可能性が
少なくなったり、痛みなどの症状に耐えられなくなった時は、全摘をする病気だとされているの
だろう。

 腺筋症で悩んで結局は全摘をした人から、腺筋症の治療のための努力をせずに、ただ単に
痛み止めを飲んで、過多月経になれば鉄剤を飲むことだけを繰り返しているのは、怠慢だと
言われたことがある。腺筋症の治療に向けて考えられる努力をしなければ賢い患者とは言えない
という。でも、何もしない(と言っても痛み止めと鉄剤だけは飲んでいる。)道があってもいいので
はないか。誰でもがチャレンジ精神が豊かだとは限らない。何もせずになるべく自然に病気と接し
て生きていければいきたいと思う人もいる。100人中99人の人は、おそらく全摘の道を選ぶだろう。
いや、1万人いれば、9,999人まで全摘するかも知れない。でも、世の中には天邪鬼な人間も
いる。愚かな患者にも優しい自助グループが私の理想だ。

第七十章 ホームページ

 このホームページもほんの出来心?から作ってから、4年と8ヶ月が過ぎた。気が付けば、5年
も目前となった。こんなに続くことになるとは思いもよらないことだった。私の身近なところには、
筋腫や内膜症で苦しんでいるという人たちは目にしても、腺筋症で悩んでいる人とは一人も知り合
えなかった。全国の人たちとメーリングリストで話しが出来て何人か知り合うことが出来た程度だ
った。だから、そんなに腺筋症の人たちとは巡り合えないだろうとこのホームページのタイトルには、
「子宮腺筋症の小部屋」と付けた。だが、腺筋症の人たちは、私が全国にいる腺筋症について話せ
る友達を探していたと同様に、それを求めていたのだろう。

 1999年の7月にインターネットを始めた時は、色々なホームページを見るよりも、今までのアナログ
の手紙をデジタルにしたメールに興味しかなかった。その当時は、検索をしてみても腺筋症のサイト
もなく、別に他の目的でホームページを見る目的もなかった。全国にいる同じ病気の仲間と時間と
空間を超えて交流できるのは、とても魅力だった。筋腫や内膜症の人たちの作ったホームページを
見て、腺筋症の人たちが作ったホームページがあれば、私もインターネットにもっと時間を割くだろう
になと思っていた。

 内膜症や筋腫の患者団体のホームページを覗いてみたが、個人のホームページに比べて、掲示板
への投稿がしにくい雰囲気だった。アクセスが多くて管理が大変なのだろう。投稿をする前に読んで
おかなければならない事柄が沢山あり、それに目を通すだけで投稿しようという気持ちが萎えて
しまった。また、最初から管理は難しいという理由からか掲示板が設けられていなかった。患者団体
だから、内膜症と筋腫と腺筋症、卵巣嚢腫など多彩な病気の人たちが色々と自由に話している場を
期待していた私は、拍子抜けしてしまった。考えてみれば、婦人病という女性性に絡むデリケートな
部分が多い中、まだまだ開放的にはなっていないのだろう。

 他の婦人病サイトでもそうだが、自分の考えと違う考えを持つ人と感情的なやり取りを繰り返す
こともあり、ホームページは見ているだけでは分からない管理の難しさを感じている。そして、その
ホームページは、管理人の管理の仕方で差が出てくるものだ。当然と言えば当然のことなのだが、
こうして5年近くホームページを管理してきて、ようやく分かったことの一つだ。

 腺筋症の人たちが、それぞれの意見は違っていても、お互いの意見を尊重して自由闊達に意見
を交換できる気の置けない癒しとなる空間が作れればいいなと思っている。今後、どのくらいこの
ホームページが続くかは分かりませんが、皆さん、よろしくお願いしますネ。

第七十一章 最近思うこと

 パソコンて便利だなぁと思う。その一方で、ウイルス感染や嫌なトラブルがあるとパソコンて不便だ
なぁと思う。パソコンがなければ、田舎に暮らす私は本もろくに買えないことになるだろう。本を読む
のが大好きな私にとっては困る。ホームページの管理もできないし、メール交換もできない。パソコン
が壊れてしまった時は、パソコンのない生活を強いられる。その時は、不便さと同時に何故かほっと
する。元々、アナログ人間のせいだと思う。最初、ピクノジェノールを注文した会社からのメールで、
初めてウイルス感染した時は、驚いた。まさかこんな田舎のしがないおばさんのパソコンのデータを
壊して何の得があるのかと思った。しかし、コンピューターウイルスは、通り魔殺人と同じもので、男女
問わず、誰でも被害者となるということが段段分かってきた。

 最初のうちは、メールしか使わなかったので、ウイルスソフトも知らない人から届いたメールで
添付ファイルのついたものは開けなければ大丈夫と言われていた。それが、開けなくてもメール
ソフトの設定で中身が表示できるようになっていれば瞬時に感染してしまう形のウイルスが登場
してきた。それでも、メール中心の時は気軽に感染即再インストールすりゃいいやと楽観的だった。
だが、ホームページを開設してからは、そうもいかなくなった。そして、ウイルスバスターを使うよう
になった。これで毎週ファイルを更新していれば、ほぼ大丈夫な状態になったと一安心をした。

 しかし、更新していても、たまに検索してネットサーフィンしたサイトでウイルスに感染したらしく
メールソフトがとろい。ウイルスバスターのファイル更新の時間がとんでもなくかかる。それでも
再インストールすると何かと面倒臭いと暫くそのまま使っていた。思いがけずに、ウインドウズが
起動しなくなって、いよいよ仕方がなくなり、諦めて再インストールをした。再インストールして
みて驚いた。やっぱりウイルス感染をしていたようだ。ウイルスバスターで時間をかけて、ウイルス
チェックを何度かしてみたのだが、大丈夫だという検索結果が出ていた。だが、再インストールし
てみたところ、パソコンの動きが全然違うのだ。

 今、困っているのは公開しているメールアドレスsenkinsyou@yahoo.co.jpへ届くスパムメール
の数が増えつづけていることだ。自動的に掲示板から拾ってくるソフトを使っているのだろう。
アダルト系の馴れ馴れしいメールが何十通も届く有様だ。そして一向に減る気配がない。増える
一方だ。殆どはスパムメールなのだが、その中には大事なメールもあるので簡単に削除もできない。
ホームページの管理人の宿命と諦めるしか手はないのかなぁ。便利だが、何とも面倒臭い。

 管理人をしていると人から誤解を受けたり嫌な体験もするが、インターネットをすることによって
得るものは、その何倍も大きい。デジタルと言いながら、やはり最後は人と人との触れ合いが大事
だということを改めて思う。小部屋を訪問しても薬も注射もないけれど心だけは暖かくなって頂きた
いなと思っている。

第七十二章 健康

 健康とは、大阪で塾を開いていた緒方洪庵の造語だという。それを弟子である福沢諭吉が全国
に広めたのだそうだ。それまで日本には健やかという言葉はあっても健康という言葉はなかった
そうだ。野球という言葉が、正岡子規の造語だという話しは有名だ。膵臓の膵という漢字は、中国
にはない和製の漢字なのだそうだ。それはともかく、健康という言葉が生まれた時から、日本では
健康産業が盛んになったらしい。

 健康と言えば、体と心の健康の両方のことを指す。しかし、健康と聞けば、体の健康の方が問題
とされる場合が多い。自分の体は自分が一番よく分かる。その一方で、知らないのは自分だった
りもする。より健康であったはずのスポーツ選手が案外長生きでないのは、自分はいつも健康であ
ると自信過剰でいるからだろう。もったいないことだと思う。体の健康にはとんと恵まれたことがない
私には、テレビに映るスポーツ選手の姿は明るく輝いて見える。

 体が不健康なので、せめて心の健康だけは確保したいと思う。だが、体の不調は心に影響を及
ぼす。痛みや過多月経や貧血に苦しむ時は、心も暗くなる。これから先のころを考えると憂鬱な
気分に襲われる。以前は、心の健康について考える余裕もなく、体の健康状態に支配され続けて
きた。これではいけないと体と心の健康を分離することにした。痛みに関する外国の本の中にも、
慢性的な痛みは、心と体を分離し、心のケアを心がけることで、随分と痛みが減ることが分かった
と書かれてあった。痛みの古典的なモデルは、哲学者のデカルトが唱えた説だ。痛いところを刺激
すると痛みというベルが鳴るというものだ。しかし、近年の研究により、痛みは体だけではなく、心
や社会的な環境など複合的要素により引き起こされることが分かってきた。歯の痛みのように、神
経を抜けば痛みが消えるという簡単にものではないことが分かってきた。

 痛みという感覚は、原始的な感覚であり、人が生きていくためには必要なものだ。だから、全身
にある痛点は他の感覚を感じ取る箇所よりもより数が多いようだ。多発性硬化症という病気は神経
の髄鞘ミエリンが傷付いて起こる進行性の病気だ。痛みの神経には、このミエリンがないそうだ。
ミエリンは、主に脂肪で出来た神経の絶縁体と言えるもので、これがないと漏電を起こすことになる。
痛みの神経には、このミエリンがないということは、痛みの感覚があちこちの箇所に漏電しっぱなし
ということだろうか。痛みは、全く個人的な感覚であり、劇痛で脂汗を流してのたうち回るような痛み
は、誰でもひどい痛みをその人が感じているのは理解されるだろう。でも、鈍痛や強い痛みがある
状態が慢性的に続いていても、端から見るとただ動かない怠け者として見られてしまうだろう。

 痛みがあっても、それなりに栄養状態が良ければ健康と見られる。腎不全で人工透析をして
いる人は、見かけだけでは健康な人に見られることが多い。そのため、地下鉄や電車に乗って
いて、優先席に座っていると元気そうなお年寄りから睨まれることも多いそうだ。若くても生理痛
で混んでいても、席を譲るような元気がない時もある。若い時の私も、元気なおばさんにいい若い
者が座っていないで立ちなさいよと公衆の面前で怒鳴られたことがある。その時、私は生理痛に
じっと耐えていて脂汗もかいていた。でも、そのおばさんの怒声と周囲の目に、いたたまれなくなり
席を立った。その背後で、「本当に今の若者は!元気なくせに年寄りに席を譲る気持ちがない!」
と大きな声で言われた。見た目には、若くて健康な女性に見えたのだろう。言い返す元気もなかっ
た。おばさんは、怖いなぁと思った。そして今は私がそのおばさんになっている。(笑)

 体が健康であれば、心も明るく健康でいられる。色々なことにもチャレンジできる。そう思うのは
体に自信がないせいだと思う。体が健康であっても、死にたいと集団自殺をする仲間をインターネ
ットで募る人たちもいる。その人たちにとっては、体が健康だということは、それほど価値はある
ことではないのだろう。でも、折角、この世に生まれてきた命だ。大事にして欲しい。

第七十三章 きりがない

 地元の自助グループで筋腫や内膜症、腺筋症の治療について話した。いずれの病気についても
未だに根本的な完治は望めない。やれ腹腔鏡だ、核出手術だ、いや新しい薬だと時代が進むに
つれて出ては来るけれど、どれもこれもそれほどの成果はない。ただ時間とお金をかけて、最終的
には体をおかしくしているだけじゃなかろうか。

 患者は、治るか治らないまでも良い状態を維持したいと思う。そこで、新しい治療方法とか薬に
期待をかけて試みる。確かに、一時的に効果がある。しかし、結局は元の木阿弥になるのがおちだ。
この病気には、完治ということがない。今度こそ、もしかすると良くなるかも知れない。そういう淡い
期待を持ち治療に臨み、そして絶望をする。その繰り返しが多い。そうこうしているうちに年を取り、
症状も進む。そして医師から子宮や卵巣の全摘を勧められる。また自分でももうこれ以上の痛みに
は耐えられないと思うようになる。閉経してしまえば、殆どの場合は症状がなくなるか改善をする。
 腺筋症の場合、最終的には腺筋症に蝕まれて痛くて毎月の大量出血の原因となっている子宮を
取り除く以外はない。全摘以外には、腺筋症を完全に葬り去る手立てはない。

 腹腔鏡での子宮内膜症の病巣の除去と焼灼を勧められた人が、医師に腹腔鏡をしたらどうなる
かと聞くと「お腹の中が綺麗になり、少なくとも何年かは痛みも消えるか軽くなる。ひよっとすると
治るかも知れない。」と言ったという。でも、一度、腹腔鏡をすれば、それ故に癒着も起きることだろう。
また、その後に新たに病巣が増えもするだろう。そしてその時は再び医師は腹腔鏡をしなければな
らないと告げることだろう。と、こんなことを繰り返してもきりがないのではないか。医者が金儲けを
して患者はただ苦しい思いをし、財布の中身も軽くなるだけじゃないのか。そんな気がしてならない。

 早期発見と早期治療できちんと完治する病気なら誰も苦労はしない。しかし、内膜症も腺筋症も
一筋縄で行くような甘い病気ではない。テレビや新聞などのマスコミは、盛んに早期発見と早期
治療を強調する。患者がそれと気が付いて早く産婦人科医の元に現れて治療を開始していけば
完治はしなくてもうまくコントロールできるかのように書いている。早く産婦人科へ行きましょう。
そうすれば、貴女は妊娠も出産もできます。テレビ番組に登場する医師もその体験者である患者
もゲストも仰せの通り、ごもっとも。今日はためになる話しを聞いた、で番組を締めくくる。そんな
パターンばかりだ。でも、それは本当と言えるのか。私は疑問に思う。

 腺筋症を早く発見すれば、その時点からホルモン剤や核出手術などの治療という名のベルトコ
ンベヤーに乗せられて行くだけではないか。そして、医師と共同で治療に取り組んでいると自分
では思っているが、実は、医師の言う通りになっているだけではないだろうか。医師の提示した
中からしか選択できない治療をしているのではないか。そして、結果的には、治療の度に再燃を
繰り返しす。また色々な薬漬けにもなる。そしてその薬の副作用やら後遺症に段々と苦しむように
なっていく。治療に真剣に取り組めば取り組むほどに、精神的にも肉体的にも辛い時間が増えて
いくのではないだろうか。

 治療を漫然と続けていても、ちっとも良くならない。今度こそ良くなるかも知れない。とにかくこの
今の辛い状態から少しでも良くなりたい。その繰り返しで年が過ぎていくのではないだろうか。
医師にとっては、腺筋症はくら治療を加えても一時的に病巣が小さくなることはあっても完全には
消えてなくなるものではない。だから、全摘以外は全て姑息的な治療方法に過ぎない。だから
積極的に治療をいする意味がない。そう考えているようだ。私は、腺筋症の病巣が小さくなる
ことに期待はしていない。ただ腺筋症があることにより出てくる慢性的な痛みと過多月経をどう
にかしたいと思っているだけだ。医師は、全摘をすれば痛みも過多月経もなくなるから、全摘
すればいいと思うようだ。子宮をそのままにして、子宮が大きいままで痛みや過多月経を解消する
侵襲度の低い内科的な方法を望んでいる。そう期待している人は、結構いると思う。それなのに
腺筋症は何をやっても駄目。耐えられる間は、経過観察で耐えられなくなったら全摘だとあっさり
考える産婦人科医が多い。何ともやりきれない気持ちだ。

 思い切って全摘をすれば、毎日のように続く不快な痛みとも別れることができるだろう。全摘を
すれば、もうこれ以上は限界だと悲鳴を上げている体に休息を与えることもできるだろう。腺筋症
ともようやく縁を切れる。その考えはいつもとても魅惑的だ。そして、今のまま痛みに耐えつつ閉経
までだらだらといくことになるのか。腺筋症を体験した人たちが書いた闘病記を読むと全摘を宣告
された日から約5年目に紆余曲折の上に全摘を決意する運びとなっている。辛抱強く研究熱心な
人であっても5年目あたりで限界が来るということのようだ。確かにそんな気がする。それ以上になる
と体も心もポロボロな状態となってしまうだろう。一度ホルモン剤を体験してみて、再度のホルモン剤
投与は避けたいと思う。腺筋症に侵された子宮がある限り、自分は幸せな気持ちにはなれないので
はないか。全摘をすればその元凶が消え去る。そうすれば私の未来も明るくなるのではないか。
でも、しかし、手術はしたくはない。結局は、全摘をしてスッキリすることよりも体にメスを入れないで
おく、臓器をいじりたくないという思いの方が勝っているのだ。

 腺筋症の存在が年々と私の中で大きくなっていく。結局、痛みがこれから先の選択を決めて
いくのだと思う。

第七十四章 期間限定

 7月にひどい過多月経になった。腺筋症から来る痛みもひどかった。また、それ以上に貧血に伴って
起きる胃や腸の痛みも辛かった。そんなこともあり、暫く飲んでいなかったピクノジェノールを再度飲み
始めた。ピクノジェノールは、何故か痛みがひどくなってからでないと効かない。毎日のように痛みが
ある状態だったので、飲んでみることにした。結果は、上々だった。最初は痛みが少し軽くなってきた
程度だったが、痛みのない日が続くようになってきた。何年か振りに痛みのない日が連続してるよう
になった。痛みがあるとないとではこんなに気力と体力に違いが出るものかと驚いたものだ。

 ピクノジェノールを飲むと何故か生理の周期が長くなる。ひどい貧血に苦しむ私にとっては、これは
体力を回復すね上で、とても助かる副作用?だ。但し、飲んでいるうちに生理直前のようなだるさが
続くようになる。でも、痛みがないので楽だ。そのうちこの生理直前のような体調で悶々としてくる
ようになってくると漸く生理がやって来る。それと不思議なことに痛みが尿になって出てくるのでは
ないかと思うほどに、ピクノジェノールを飲むと尿が出る。ここ二ヶ月間は、ピクノジェノールのおかげ
でロキソニンのお世話にあまりならないで済んだ。だが、現実は甘くはない。二ヶ月を少し過ぎた頃、
突然にまたあの馴染みの痛みが戻ってきた。そして痛みは段々と幅を利かせてきている。ピクノジェ
ノールは良く痛みに効く。が、二ヶ月という期間限定付きなのだ。これが一年とかだったらどんなに
助かるか知れない。

 考えてみれば、スプレキュアなどのホルモン剤も骨量低下などの副作用を考慮しての期間限定だ。
広い視野で考えると生理も、女性の人生の中での一期間という期間限定だ。女性として一番良い
期間に、女性ゆえにこんなに苦しい病気が起きるなんて、人間の生殖器の作りは他の動物に比べて
何て不完全なものなんだろうか。女という人の半分以上が体験する生理にこんな不都合な病気があ
るというのは一体何を意味するのだろうか。進化論で言えば、子孫を伝えるためことが生きる重要な
目的の一つであると考えられる。とすれば、不妊になるかも知れない内膜症や腺筋症は淘汰されて
患者の数も少なくて然るべきだ。しかし、現実はそうはなってはいない。生きていく上でも、腺筋症の
ように痛みが年々ひどくなっていく病気は不利なはずだ。毎月リズムを刻みつつ悪化していく腺筋症と
いう病気も、40歳までの期間限定であったら、40歳までの我慢だと覚悟もできるように思う。

 閉経まで症状が進んでいくなんて、腺筋症という病気は自分の臓器ながら性格が悪い。まっ、もっとも
私の性格の悪さほどではないかも知れない。(笑)人間の人生も期間限定だ。閉経が来て、あるいは
全摘をして腺筋症についてあまり考えなくても済むようになった時のことを考えるようになった。痛みと
出血からの解放は、心をも開放してくれることだろう。痛みに苦しんだ分、人生を楽しみたいと思っている。

第七十五章 ブログ

 子宮腺筋症の小部屋のホームページを作ってから今年で5年が過ぎた。当初は、インターネットが
一般に普及し始めた頃だった。個人がホームページを開き始めた時期だった。その1年半前からイン
ターネットはしていたが、腺筋症について書かれたホームページは見つけることが出来なかった。その
うち誰かが腺筋症のホームページを立ち上げるだろうと軽く考えていた。とにかく全国に腺筋症患者は
ごまんといるはずだ。たまたま自分の周囲にだけ見つけられないだけなのだ。そう思っていた。でも、
一年半経っても腺筋症のホームページは検索に引っかからなかった。どうしてなのかとても不思議だ
った。筋腫や内膜症のホームページは、既にあり、沢山の人たちのアクセスがあった。ヤフーのサイト
でも紹介されていた。手馴れた感じの女性らしい可愛らしいイラストとデザインに素敵な掲示板。そして
優しく知的な管理人。その管理人を慕って投稿している常連さんたち。とてもいいなぁと思った。私は、
子宮腺筋症の小部屋を作った。2001年の2月のことだった。

 2001年以降、腺筋症がメインのホームページの数が増えいない。いや、もしかすると作られてい
るのかも知れない。ただそれが検索に引っかかってこないだけかも知れない。現在のところ腺筋症で
検索をして、個人が作っているサイトがなかなかヒットしない。だが、ブログと腺筋症の二つの言葉で
検索をかけてみると結構な数のブログがヒットした。そのいくつかのブログを覗いてみた。ホームページ
と違ってブログでは、腺筋症はその人のブログの一項目に過ぎないようだ。まだブログ全体が腺筋症
だというブログを見たことがない。ホームページの掲示板と違って、ブログを作った人の意見がまずあって
、それに対する意見を訪問した人たちがつけていく形になっている。作る人にとっては、自己主張がしや
すく、そして管理もしやすいように感じた。また、特別に宣伝をしなくても、ブログそれ自体が横に縦にと
繋がるルートを持っている。更新も携帯電話で出来る。今の時代は、ホームページよりもブログの方が
やりやすそうだ。

 かくいう私も今流行のブログを一度物は試しと作ってみた。何ヶ月か週一回のペースで更新もした。
でも、ダイヤルアップ回線の月10時間の範囲内で、小部屋のホームページと合わせてブログも同時に
まめに管理をするということは、難しい。結局は単に記事の投稿をするだけという形になってしまった。
僅かながらではあったけれどまめに目を通して下さった方たちにはこの場でお礼を言いたい。今後は
みけの気持ちを通じて、ブログの時と同じように腺筋症以外の事柄について投稿していきたいと思って
いる。

 もし、小部屋でブログを作る時には、腺筋症についても書いて欲しいと思う。腺筋症という名前が
ブログを通じて沢山の人に知ってもらえれば、腺筋症患者への社会全体の理解も進むようになると
思うからだ。腺筋症だけのブログができたら、子宮腺筋症の小部屋は必要がなくなる・・・かも知れな
いなぁ。

第七十六章 副交感神経

 ロキソニンなどの解熱鎮痛剤は、交感神経に働き、血管を収縮させることによって痛みの原因となる
物質を減らすことにより鎮痛効果を得る仕組みだ。ということは、痛みが激しい時は、血管が広がり、
どんどんと痛みの原因物質が血液の中を流れているという理屈になる。でも、子宮を触るとがちがちに
硬くなり、子宮自体は収縮していて血行が悪くなっているように感じる。腰から下も冷たくなり、血行
不良は間違いない。だから、血管が広がっているというよりは、むしろ収縮しているのではないかと
感じる。だが、ロキソニンを飲んで効いてくると子宮の硬さもほぐれ、冷えた腰や足も温かくなってくる。

 腺筋症や内膜症を持つ人たちは、アレルギー体質である場合が多いようだ。アレルギー体質は、
副交感神経が優位な状態だと思う。痛みが出ると副交感神経が過剰に反応してしまうのではないか。
私は、痛みが激しい時には、胃や腸の活動が活発になり、ひどい吐き気や腹部の痛みや膨腹感を
覚えたりする。副交感神経が優位であれば、交感神経に働くロキソニンは、副交感神経優位に傾いた
体調を整えてくれるのではないだろうか。鎮痛剤のせいで胃が荒れて痛みが出ているのかと思い、
痛くても鎮痛剤を飲むのを我慢してみたこともある。でも、ある時、ロキソニンを飲むとその胃の痛み
が軽くなり、その後の胃の不調も軽いことを知った。私の腺筋症からくると思っていた痛みの中には、
副交感神経の過剰の反応から起こる胃腸の痛みもあったのではないかと思う。

 では、鎮痛剤を飲むと子宮の硬さが和らぎ、腰や足の冷えが軽くなるのは何故だろうか。心筋梗塞
の前段階である狭心症の痛みの原因は、虚血。つまり、血行不良だ。腺筋症の場合の痛みも子宮の
筋肉層の血行不良が痛みを引き起こしているのは間違いないと思う。でも、それだけではなく、腺筋症
の病巣から分泌される発痛物質の影響が大きいと思う。この発痛物質が局所的な筋肉の収縮をもたら
すのではないか。それが、ロキソニンを飲むことにより、発痛物質が減ると同時に筋肉の収縮をも抑え
ることになり、血行が良くなる。それで痛みが軽くなる。副交感神経優位の体質がそうではない健康な
人に比べて痛みを増悪させているのかも知れない。

 痛みという体験は、個人的かつ独特な体験だ。痛みを伝える抹消神経から伝えらたれ刺激が大脳
の視床に伝えられ、そこで初めて痛みとして認識されるらしい。だが、視床に伝えらただけでは駄目
で、それが前頭葉で認識されないといけないらしい。また、視床が傷つけられた時、激しい痛みが
持続するという。視床が傷つけられた場合に痛みがなくなるのではない。つまり、人間は、視床が
正常でないと、痛みが起きる仕組みになっているのだ。痛みは、人間にとっては必要な感覚だから
なのだろう。物事を単純に考えれば、受容体から痛みを認識する大脳への流れをどこかで切断すれ
ば、受容体から発せられた痛みは遮られることになるはずだ。この考えは、フランスの哲学者である
デカルトが唱えた。彼の痛み理論は、約300年間もの長きの間、支持されてきた。

 しかし、第一次世界大戦や第二次世界大戦の負傷兵の観察によって、痛みが起きる仕組みは、
そう単純なものではないことが判明した。痛みを伝える神経には、二つある。一つは、太い神経線維
であり、こちらは急激な痛みを伝える。その後に続くどんよりとした鈍い痛みは、細い神経線維により
伝わるようだ。また、痛みの神経には、ミエリアという電線における絶縁体となる髄鞘がないそうだ。
そのせいか痛みは放散すること多いのではあるまいか。痛みは、抹消からの細い神経線維かの刺激
が増えてくると痛みが加算されていくようだ。腺筋症の激しい痛みも抹消からの弱いが、頻繁な刺激
により、痛みの度合いも増していくのではないか。

 痛みにも、偽薬効果が働く。心理的な面も強いということだ。このプラセボ効果は、医師と患者の
双方が痛み止めの効果を信じている場合は、何と35%もあるという。三人に一人にプラセボ効果
が見られるという。結構な数ではないか。プラセーボ効果が見られる患者の場合は、どうやら脳内
にある麻薬物質であるエンドルフィンが関与しているようだ。モルヒネの拮抗薬である、つまりモルヒ
ネの効果を消し去る薬であるナロキソンを投与するとプラセボ効果が失われるという。痛みを感じない
無痛症の患者に対して、ナロキソンを投与すると痛みを覚えるようになるという報告もある。エンドル
フィンの分泌をする能力が高い人は、痛みに強く、低い人は、痛みを強く感じるようだ。内膜症や
腺筋症でも痛みを感じない人たちがいるが、エンドルフィンの分泌が多い人たちなのではないだろう
か。

 脳内の定位による刺激により、パーキンソン症やうつ病や意図しない体の過剰な動きに悩まされ
るジストニアの患者が正常な生活を得ることができる場合が多いという。脳の一部の過剰な刺激反
応により意図しない動きや反応が起きているのは間違いないようだ。腺筋症でも、痛みを認識する
回路を過剰に刺激しているのかも知れない。な〜んて、こう毎日痛みが続くと痛みについてあれや
これやと色々と考えたりするんでよね。別に研究したわけでなく、ただ単に自分で頭の中であれや
これや理屈をつけているだけなんですよね。痛みが続くと人間、色々と考えるもんです。ちなみに痛み
がある人は、ボケにくいらしいです。痛みにも少しは良いところもあるようです。(笑)

第七十七章 情報

 私は、小部屋のほかに、地元北海道での自助グループのHPを持っている。1999年の7月に
初めてパソコンを買い、メールを始めた頃は、あまり婦人病のサイトはなかった。最初にインターネ
ットへ接続して当然の如くに腺筋症、内膜症、筋腫でキーワード検索をしてみた。その結果、筋腫
での検索には、多くのサイトがヒットした。また、内膜症についても筋腫ほどではないにしろ、多くの
サイトがヒットした。では、腺筋症ではどうか。何と一つのサイトもヒットしなかった。女性向けの雑誌
であるクロワッサンで婦人病を取り上げた特集の中では、腺筋症は筋腫と同じくらいに、ごく普通に
見られる病気だと紹介されていた。それなのに、この筋腫と腺筋症の違いはどうだ。驚いた。

 書店では、腺筋症に関することについて多くのページを割いた本は見つからなかった。だが、それ
は、本の中の話しであり、情報速度が早いインターネットの世界は別だと思っていた。でも、インター
ネットも本と同じだった。腺筋症の人たちは、どのように情報を得ているのだろうか。医師からか。
内膜症や筋腫の本の中で、申し訳程度に書かれている記述だけなのだろうか。疑問に思った。
 それから一年半経ち、地元の婦人病のサイトを立ち上げるに際して、まずは自分の関心がある
病気のサイトを勉強用にと作ることにした。そして、再度、腺筋症で検索してみた。ヒット数は、ゼロ
のままだった。腺筋症患者は、全国に沢山いるばずだ。インターネットに接続している人たちだって
沢山いるはずだ。その中には、医師や看護師や薬剤師など医療に携わっている人たちもいるはず
だ。そういう人たちが、コンピュータのプログラミングにも素人でも簡単HPを作れるソフトが普及して
いるのだから、誰か一人くらいは簡単なHPでも作っているだろうと思っていたのに、びっくりだった。

 ヤフーのHPに紹介されている内膜症や筋腫のサイトは、選ばれているだけあり、見かけも内容
も立派なサイトだ。そのサイトを訪問してみると筋腫や内膜症の人たちに紛れて腺筋症の人たち
も書き込みをしていた。書き込みをする意欲があるのであれば、この人たちの中から、一人くらい
はHPを作っていてもおかしくない。それなのに、検索してもサイトが見つからない。とても不思議だ
った。もしかすると私の検索の仕方が悪いだけかも知れない。でも、あまりパソコンに詳しくない田舎
のおばちゃんが腺筋症で検索してすぐに見つけられないのは、問題だと思った。今は、HPではなく、
個人的な日記形式のブログという形で、HPに似たようなものとして腺筋症を取り上げているものが
増えてきているようだ。ただ、HPは、ブログに比べるととっつきにくいのかすぐには検索しても出て
来ない。HPは、作るのは簡単だが、それを継続するのは難しいという話しを聞いているが、そうな
のかも知れない。作ってはみたものの続かないで閉鎖してしまった人もいるのかも知れない。

 さて、この章の題名である情報についての話しである。小部屋へは、管理人宛てにメールが届く
ことがある。最初のうちは、腺筋症に関するHPを見つけて嬉しかったというご意見が多かった。
が、最近は、自分の病状を書いて、自分に合った良い病院と良い医者を紹介してくれ。あるいは、
そういう情報を得るためには、どうしたら良いかという質問メールが増えた。私は、北海道の片田舎
に住む今は病院へも通っていない、ただのおばちゃんだ。そんなしがないおばちゃんが、関東の
病院や医者を知っているわけもない。医師や病院の情報については、たかが知れているのだ。
 小部屋の管理人をしてはいるが、皆さんと同じただの中年のごくありふれた腺筋症患者の中の
一人に過ぎない。地元の自助グループのHPからも、やれ良い病院や良い医者を教えろ。UAEの
実施している病院を教えろ。私の病気についての情報を提供しろ。というメールが届くことがある。

 自助グループあるいは、HPの管理人は、まるでそういう情報を提供するのが当然とばかりに
極めて個人的な相談メールを送信してくる。メールしてもHPを閲覧しても、どうせタダなんだから
駄目で元々だ。えぃ、出してみるかということなのだろうか。回答したら、何の返事もない人もいる。
せめて、形だけでも、お世話になりました。お手数おかけしました。ありがとうございました。くらいの
メールの一本くらいは欲しい。インターネットに接続をして、キーワード検索をすれば、それなりの
情報がタダで得られる。それが当然だと思い込んでいる人が増えてきている。パソコンもソフトを
入れなければ、ただのガラクタ、空っぽの箱に過ぎない。誰かが、苦労をして情報を集めて皆に
提供をしているのだ。商売のために情報している病院のページと小部屋のように、あくまで近所
のさえないおばちゃんが一人でこつこつと作っているHPとでは、HPにかけるお金や時間も違う。
情熱だけは負けてはいないと思っているが、プロとアマチュアだ。闘う場所が違う。その辺のところ
を理解して欲しいなぁと思う。

 自分は匿名で個人情報はなるべく開示せずに、そのくせ、より多くの他人の情報を得ようとする
人が増えている。こちらが本名を名乗っても、ずっと匿名のままだということも増えてきている。匿名
のままということは、私に対して信用していない。ずっと付き合う気持ちはないことの現れではないか
と思う。情報は欲しいが、あなたには興味がないということのようだ。匿名で、聞くに堪えないひどい
話しや他人を実名で非難したり馬鹿にしたりしているサイトも多いと新聞に出ていた。小部屋は、
そんなサイトには間違ってもしたくない。もし、そういう事態が起きたら、すぐに閉鎖するつまりだ。

 情報を得る時は、そのHPを作っている人を少しは考えて欲しいなぁと思う。

第七十八章 凝血

 生理用ナプキンの謳い文句に、素早い吸収力などといった経血に焦点を当てたものが多い。
過多月経になれば、経血量は増える。それは当然だ。だが、しかし、腺筋症の場合は、凝血が
問題になることが多い。いつも生理用ナプキンの製造メーカーにメールしようかと思うくらいに
凝血に着目した商品がない。メーカーには、女性も沢山いて、その中には、筋腫や腺筋症の
人もいるはずだ。そんな人の中には、遠慮なくドバドバ出てくる凝血という怪物に悩まれている
人もいるはずだ。日本の人口の半分が女性で、過多月経に悩んでいる女性も多いのに、こんな
に大きなマーケットを放っておいていいんだろうか。そう思うほどに凝血対策の取られたナプキン
がない。私は、大いに不満だ。私がナプキンメーカーの社長なら即作らせる。(笑)

 凝血を考えずに経血だけ問題にする。だから、羽根付きのナプキンの場合も生理ショーツの
外側にずれないようにくっつけるという発想しか浮かばないのだろう。最近、直接、膣の入り口
に局部的に取り付ける形が出てきたようだが、凝血が多い場合は、すぐに使えなくなる。凝血が
あるとその凝血によって血の流れが変わって、予期せぬ場所へと流れていき、下着やズボンや
スカートを汚してしまう。経血対策のためにつけられた羽根付きが仇になって、羽根を伝ってスボン
やスカートに染み出る。これでは困る。

 凝血が出て、その後に水道の蛇口をひねったかのような大洪水が始まった日には、手がつけら
れない。凝血溜まりのような受け皿となる深みのあるナプキンであれば、失敗せずに済むだろう
にと何度思ったか知れない。羽根付きの羽根は、外側には小さくても良いが内側の羽根は、生理
ショーツの側面にくっつけられるように作って欲しい。過多月経の人のためにとパンツ型の生理用
ナプキンが出ているが、こういうナプキンが出てきたら、そんな大袈裟なものを使わなくても済む
人も多いように思う。経済的で、つけ心地も良い生理用ナプキンが開発されれば助かる。

 それにしても凝血が出る直前のあの気持ちの悪い、時には吐いてしまうような痛みは堪らない。
凝血が出てしまえば、一時的には痛みも気持ち悪さも軽くなる。でも、ただでさえ血の薄い私たち
腺筋症患者には、凝血をいかに少なくできるかと考えることも多いだろう。水を飲むのを控えると
経血量や凝血量は減るようだ。でも、これは体に良くない気がする。特に夏場は、血液の濃縮を
招き、血栓が作られやすくなるだろう。痛みには、解熱鎮痛剤がある。だが、過多月経にはなかなか
これといったものはないようだ。漢方薬の中には、過多月経には、とても有効だというものもある
らしい。

 一般的な考え方によれば、過多月経は、腺筋症や筋腫で引き伸ばされ、その結果として子宮内
膜の面積が増えて、その分、剥がれる内膜の量が増える。それは分かる。でも、少しずつ剥がれ
てくれれば、痛みも出血も少なくなり、凝血も少なくなると思う。そんなうまい仕組みを作れる薬は
出て来ないものか。子宮腺筋症持ちの子宮は、筋肉層が厚く、その分、収縮する力も大きくなる
のだろう。子宮内膜が薄く引き伸ばされても、それほど内膜の厚みがなく、少しずつ綺麗に剥がれ
てくれれば良いのだが。

 凝血をうまく抑えて快適に暮らせるようになれば、腺筋症患者の活動範囲も広がるだろう。
痛みは苦しいが、過多月経は、とにかく煩わしい。しかも、下着や上着を汚してはいけないと
いう心配とストレスは、痛みと同じくらいに問題だ。でも、痛みと過多月経のどちらかを取れと
言われたら、私は過多月経を取るなぁ。だって、痛いのは、とにかく体全体がずっとつらいから。
痛みがおさまって来てから、過多月経や貧血が気になる。人は、痛みに本当に弱い動物だなぁと
思う。


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